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ステンレスパイプ加工のポイント|4つの方法と注意点について解説
ステンレス
2023.8.31
ステンレスパイプは耐食性に優れており強度も高いので、現在では様々な場所で使われています。
しかし、ステンレスには加工硬化や熱伝導率が悪いなどの特性があります。そのため、加工する際にはその特性を意識しないと、もろくなって強度が低下したり工具がダメになる可能性も高いです。
この記事ではステンレスパイプの特性をまとめ、加工方法ごとの対策や注意点を解説しました。普段通りに加工すると曲げた部分が割れたり、溶接で穴が開くこともあるので十分な対策を行いましょう。
ステンレスパイプの加工におけるポイント
ステンレスパイプは鉄を主成分にした合金鋼です。クロムやニッケルなど、様々な金属を添加することで、非常に錆びにくく耐熱性や強度にも優れた性質を持たせています。
しかし、その特性が各加工に大きく影響するため、ステンレスパイプは作業が難しいとも言われています。具体的には次の通りです。
- ステンレスの種類が様々
- 熱伝導率が低い
- 加工硬化する
ステンレスの種類が様々
ステンレスパイプは添加した金属元素やその量によって種類が異なります。大まかにはマルテンサイト系・フェライト系・オーステナイト系の3つに分類され、それぞれにその特性が違います。
そのため、各加工に適したものや適さないものがあるので、対象のパイプがどれに該当するのか把握することが求められます。
熱伝導率が低い
熱伝導率は、その金属に伝わる熱の速さを表しています。ステンレスは熱伝導率が悪い合金にあたり、熱しにくく冷めにくい特徴があります。
この特性は切削や切断、溶接作業に影響を及ぼします。熱伝導率を考慮しないと製品の欠陥につながる可能性は高くなります。
加工硬化する
加工硬化とは、金属に一定の力を加えると硬くなってしまう現象のことです。オーステナイト系に見られる特性で、切削加工や曲げ加工に大きな影響を及ぼします。
金属が硬くなると脆くなり、割れなどの欠陥が出る可能性が高まります。加えて、工具への負担も大きくなり、刃先が痛んで仕上げ面が劣化してしまう恐れもあるのです。
ステンレスパイプ4つの加工と注意点
ステンレスパイプの加工には様々な方法がありますが、代表的なものは次の4つが挙げられます。それぞれの加工の対策と注意点を解説します。
- 切断
- 曲げ
- 穴あけ
- 溶接
切断
ステンレスパイプの切断は、パイプカッターやディスクグラインダーがあれば誰でも行えます。特にグラインダーは、電動で研磨機としても使えるので、とても便利な工具の1つです。
ですが、ステンレスは熱が逃げにくい性質がある ため、切断中に金属と工具の温度がどんどん上がります。その結果、どちらも傷んでしまう可能性があるので、熱が逃げやすいようにすることが大切です。
曲げ
ステンレスパイプを曲げる場合は、加工硬化とクラックに注意しなくてはいけません。加工効果は、金属に圧力が加わると次第に硬くなる現象で、クラックは曲げた箇所にヒビが入る症状 です。
対策としては、曲げる角度を浅くする、あるいはR値を大きくすること。ステンレスの種類や厚みによっても硬さは違うので、加工条件には注意しましょう。
穴あけ
ステンレスパイプの穴あけは、金属の中でもとても難しいとされています。これは 熱が逃げにくいことと、加工硬化が大きく関係 しており、考えずに行うと工具もパイプも痛めてしまいます。
対策としては、ドリルの回転速度をできるだけ遅くすることです。また、切削油を使うと熱がこもりにくくなるので効果的です。
溶接
ステンレスパイプの溶接も、とても難しい加工の1つです。ステンレスにはマルテンサイトやフェライトなどの種類 があり、その種類によって性質が異なります。
また、パイプの厚みが薄いと、溶接中に穴が開く可能性も。あわせて、他の金属材と溶接すると、耐食性が落ちたり溶接割れを引き起こす場合もあるので、しっかりとした知識と経験が必要です。
≫ステンレスパイプの溶接|プロの事例と個人で行う場合の注意点
大阪・新進のステンレスパイプ加工の実績
株式会社新進は、大阪・九条の町職人300名以上と連携して、金属加工のコーディネートを行っています。ステンレスパイプ加工の実績を紹介します。
▲同じ加工を施したステンレスパイプ
▲様々な大きさのR曲げ
▲複雑に曲げたパイプ製品
▲溶接、旋盤、穴あけなどの複数の加工を行ったパイプ製品
▲複雑な形状のパイプ製品でも対応可能
以上です。新進では、設計図面がなくても、スケッチを元にご相談を受け付けています。
ステンレスパイプ加工でお困りの際は、お気軽に以下のページよりお問い合わせください。