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銅板の加工方法とポイント|難しいとされる3つの理由
銅
2022.12.22
銅板は柔らかく削りやすく、さらにはも切断しやすいです。一方で、伸びやすい特徴もあるため、バリの発生に注意しなければなりません。
バリの発生を防ぐには、切削速度を速くする、刃の鋭い工具を使用するなどが有効です。
また、銅は熱伝導率が高いので、溶接時には熱が母材に逃げやすいです。熱を逃がさないようにするには、加工前には母材側も余熱を行っておきましょう。
銅は光沢を持つ美しい金属ですが、反射率も高いのでレーザー加工では反射防止剤や専用のレーザー加工機の使用も必要です。
これらの銅の持つ特徴を理解し、適切な加工条件を設定しなくてはなりません。本記事では、銅板加工が難しいとされる理由や加工時のポイントを詳しく解説します。
銅板の加工が難しいとされる3つの理由
銅は柔らかく加工後も強度が落ちにくいなどの特徴がある金属ですが、以下の理由で加工が難しい金属でもあります。それぞれの特徴を解説します。
- 柔らかく展伸性が高い
- 熱伝導率が高い
- 反射率が高い
柔らかく展伸性が高い
銅は伸びやすいので、切削や切断時にはバリなどが発生しやすいです。バリの発生を抑えるために、鋭い刃で切断をするなどの工夫が必要です。
また、加工後はバリ取りなどの作業もしなければなりません。
熱伝導率が高い
銅は金属の中でも熱伝導率が高いので、溶接をするのは難しいです。熱伝導率が高いゆえに溶接部分から母材に熱が逃げてしまうからです。
結果として、溶接部分のみを熱することができず、溶け込みを得られなくなってしまいます。
また、銅は熱を加えると膨張、収縮しやすい特徴も持っています。溶接部分に熱を加える際には、割れなどの不良発生に注意が必要です。
反射率が高い
銅は反射率が高いので、レーザー加工を行うと以下の不具合が起きる恐れがあります。
- 光が反射してしまい思うような出力を得られない
- レーザー加工機を壊してしまう
銅板などの反射率が高い金属に対しレーザー加工を行う際には、専用の加工機が必要です。
銅板の加工方法とポイント
銅板の加工方法は次のとおりです。それぞれの加工のポイントを解説します。
- 切削加工
- 切断加工
- 曲げ加工
- 溶接加工
銅板の切削加工
銅板は金属の中でも柔らかいので削りやすいですが、伸びやすい特徴を持つのでバリの発生に注意が必要です。
具体的には、以下のポイントを意識して作業を行いましょう。
- 切削速度を速くする
- すくい角が大きいシャープな工具を使用する
- 銅の切削に合う油性のクーラントを使用する
銅は溶解温度が低く削りカスが工具に溶着しやすいため、銅板の切削加工時には削りカスを逃がす工夫が必要です。詳しくは次の記事をご覧ください。
銅板の切断加工
銅板を切断加工する際には、鋭い刃で作業してバリの発生を少しでも抑えましょう。他には、以下のポイントに注意して作業を行うと質の高い仕上がりになりやすいです。
- 鋭い刃で切断する
- バリが発生するので必ずバリ取りを行う
- レーザー切断時には反射防止剤を塗る
銅は反射率が高いので、レーザー加工を行う際には、反射防止剤の使用や専用のレーザー加工機を使用しましょう。詳しくは次の記事をご覧ください。
銅板の曲げ加工
銅板は柔らかい一方で、変形や割れなどの加工不良に注意しなければなりません。銅板の曲げ加工時に加工不良を防ぐには、以下を意識してください。
- 銅板の圧延方向に対して垂直もしくは角度を付けて曲げる
- 部材の伸び縮みを考慮した位置決めを行う
- 使用する金型の精度をを上げる
詳しくは次の記事でまとめていますのでご覧ください。
≫銅の曲げ加工が難しい理由|具体的な方法と行う場合のポイント
銅板の溶接
銅板の溶接加工は熱伝導率が高く母材側に熱が逃げやすいので、以下のポイントを意識して作業しましょう。
- 母材に熱が逃げることを防ぐために余熱を行う
- 割れの発生を防ぐために無酸素銅やりん脱酸銅を使用する
- 熱膨張を考慮して部材を拘束しすぎない
また、銅は熱に弱い金属であり、冷却時に割れやブローホールなどの欠陥が発生しやすい点にも注意が必要です。
銅の溶接に関しては、次の記事でまとめましたのでご覧ください。
このように、銅板を加工する際には銅の持つ特徴を理解し、適切な加工条件を設定しなければなりません。
株式会社新進は大阪・九条の職人300人とネットワークを持っています。銅板の加工にお悩みの場合はぜひ一度、お気軽にお問い合わせください。