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銅の曲げ加工が難しい理由|具体的な方法と行う場合のポイント

2022.6.13

銅は他の金属と比較して柔らかく曲げやすい金属ですが、加工時には部材の変形や寸法不良に注意が必要です。例えば、プレス加工で使用する金型の形状や加圧方法によっては、部材の曲げたい部分以外も変形してしまう恐れがあります。

他には、曲げ部分の外側と内側の伸縮具合を把握していないと、加工をしても寸法不良になってしまうかもしれません。このように、銅を図面通りの形状に曲げるには、適切な加工方法と部材に関する知識が必要です。

 

更に、銅は金属の中でも比較的高価なので、加工不良が発生してしまい部材を無駄にしてしまうと、それだけ損失も大きくなってしまいます。そのため「柔らかくて曲げやすい」と単純に考えてしまうのではなく、慎重に加工方法や部材の選定、調査を行いましょう。

本記事では、銅の曲げ加工が難しい理由や加工方法や種類、加工時のポイントをわかりやすく解説していきます。

 

 

銅の特性と曲げ加工が難しい理由

 

銅は他の金属と比較して柔らかい金属です。そのため、柔らかく曲げやすいと思われがちですが、加工時には部材の変形に注意が必要です。

 

例えば、曲げ加工を行う際に部材を固定する力が強すぎてしまうと、曲げたい部分以外も部材が変形してしまう恐れがあります。

その一方で部材を固定する力が弱いと曲げたい部分に力を加えられず、図面通りの形状に仕上がりません。

 

更に銅は金属の中でも、比較的高価な金属に分類されます。材料費が高価なので万が一加工に失敗してしまうと、損失が大きくなってしまいます。

そのため、中には銅加工をお断りしている業者もいます。

 

 

銅の曲げ加工の方法と種類

 

銅の曲げ加工を行う際には、部材の種類や厚み、加工形状に合わせた方法を選択する必要があります。曲げ加工の方法や種類について、確認していきましょう。

 

曲げ加工の方法

 

曲げ加工は加工方法によって、主に以下のように分類可能です。

 

  • 板曲げ加工
  • パイプ・棒曲げ加工
  • ロール曲げ

 

板曲げ加工では、部材を金型で挟みこみ加圧することで、図面通りの形状に仕上げます。金型の形や加圧方法によって、更に以下の種類などに分類されます。

 

  • ボトミング

部材が金型下部(ダイ)に面で接する加工方法

 

  • コイニング

板曲げ加工の中でも、金型上部(パンチ)と金型下部(ダイ)が最も密着する加工方法

 

  • 自由曲げ

部材と金型が3点のみしか接触せず、自由な角度に加工できる

 

  • R曲げ

丸みを帯びた形に加工する方法

 

パイプ曲げはパイプベンダーという機械で、パイプや棒材を曲げていく加工方法です。ロール曲げとはロールベンダーという専用の機械で、板材を曲面状に仕上げる方法です。

 

このように曲げ加工といっても様々な方法があり、部材の形状や仕上げたい形状、角度によって選択する必要があります。

 

 

曲げ加工の種類

 

曲げ加工は加工方法だけでなく、加工する形状によっても以下のように分類できます。

 

  • V曲げ

アルファベットのV字型に加工する方法

 

  • U曲げ

板材を2箇所90度に曲げてU字型に加工する方法

 

  • L曲げ

板材を1箇所のみ90度に曲げる加工方法

 

  • Z曲げ

板材を逆方向の2箇所に曲げる方法

 

  • ハット曲げ

板材を4箇所曲げ帽子のような形に加工する方法

 

  • 自由曲げ

自由な形状に曲げやすい

 

  • R曲げ

丸みを帯びた形に加工する

 

  • 段曲げ

部材を階段のような形に加工する

 

  • ヘミング曲げ

材料の端を折り返して曲げる加工方法

 

  • 丸め加工

円弧上の曲げを組み合わせて板材を円形にする方法

 

銅板を曲げて加工する際には金型とプレス機械を使用するのが一般的ですが、このように金型の種類や加圧方法を変えることによって様々な形状に加工可能です。

 

 

銅の曲げ加工を行う場合のポイント

 

銅は柔らかく曲げやすい一方で、加工時には変形や割れなどの加工不良に注意する必要があります。加工時に注意しておきたい不良は、主に以下の通りです。

 

曲げ加工の注意点
  • クラックや割れ
  • 寸法不良

 

 

クラックとは、厚みのある銅板を加工した際に生じる亀裂のことです。曲げ加工を行った際に、部材の外側では引張応力がはたらき、内側では圧縮応力が発生し歪みます。

部材外側の歪みが限界を超えてしまうと、クラックが発生してしまいます。特に厚みのある部材を加工すると、歪みが発生しやすいので注意が必要です。

 

また、亀裂が大きくなりすぎると、部材そのものが割れてしまう、裂け目ができてしまう場合もあります。

クラックや割れの発生を防ぎたいのであれば、銅板の圧延方向と平行に曲げるのではなく、垂直もしくは角度を付けて曲げるのがおすすめです。

 

寸法不良は、主に以下の原因で発生してしまいます。

 

  • 金型の精度不良
  • 前工程の精度不良
  • ブランクの位置決め不良
  • 部材の伸縮度合いを把握できていない

 

例えば、金型と部材の間に隙間が生まれてしまう場合、加圧時にずれやすくなってしまい寸法不良となりやすいです。

金型や前工程、位置決めに問題がなかったとしても、部材の伸び縮みを把握していなかった場合、部材の外側もしくは内側の寸法にずれが生じてしまう恐れがあります。

 

このように曲げ加工を成功させるには、加工技術はもちろんのこと、部材や加工方法に関する知識も必要不可欠です。

株式会社新進は、銅加工を常日頃から行っている町工場との強いネットワークを持っています。他社で加工を断られてしまった方や銅加工にお悩みをお持ちの方は、ぜひお気軽にお問い合せください。

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