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銅の切断方法|難しいとされる理由とカットする際のポイント

2022.5.25

銅は柔らかく伸びやすい特徴を持つ金属なので、切断は難しく断面をきれいに加工するには技術や適切な加工方法の選択が必要です。

銅は柔らかいので加工の際に変形しやすく、切断面も伸びてしまいやすい特徴を持っています。

 

また、銅が持つ光沢はレーザー光を反射してしまう恐れがあるので、レーザー加工時には注意が必要です。

本記事では、銅の持つ特性や切断が難しいとされる理由を詳しく解説していきます。

 

銅は鉛や亜鉛、アルミニウムなどの金属と比較して高価なので、加工に失敗し部材を無駄にすることは避けたいです。銅を切断するときには、銅板の厚さや大きさに合わせてカット方法を選択するのが重要です。

本記事では、銅の切断でよく使用される方法や切断時のポイントをわかりやすく解説していきます。

 

 

銅の特性と切断が難しいとされる理由

 

銅は以下の理由により、切断が難しい金属とされています。

 

  • 柔らかく粘り気があり伸びやすい
  • 光沢がありレーザー光が反射する
  • 価格が高くミスをしたときの損失が大きい

 

銅は他の金属と比較すると、非常に柔らかく伸びやすい特徴を持っています。

「柔らかいなら切断しやすいのではないか」と考える方もいるかもしれませんが、柔らかい分、切断面が伸びて変形してしまいやすいです。

 

また、銅は光沢があり、見た目が美しい金属です。製品としての魅力を高める一方で、レーザー加工を行う際にはレーザーの光が反射してしまい、機械が破損してしまう恐れがあります。

銅をレーザー切断する場合には表面に反射防止剤を塗布するか、銅加工に対応しているレーザー加工機を使用しましょう。

 

更に銅は他の金属と比較しても価格が高めです。工業製品でよく使用されている金属の、2022年4月時点の平均価格は以下の通りとなっています。

 

金属名 1kgあたりの価格
1,282.62円
アルミニウム 409.52円
300.47円
5,426.54円
亜鉛 550.39円
ニッケル 4,182.17円

※ロンドン金属取引所での先物清算値から引用。

 

このように、銅は錫やニッケルに次いで価格が高い金属です。失敗したときの損害額が大きいので、業者でも銅の切断を断るケースがあります。

 

 

銅の切断方法

 

銅の切断方法にはいくつかあり、部材の大きさや厚さに合った加工方法を選択するのが大切です。銅のカット方法は、主に以下の通りです。

 

  • 鋸などの工具を用いて切断
  • 上下にある刃を用いてカットするシャーリング切断(せん断加工)
  • 電気を放電するワイヤーカット放電加工
  • 超高圧水を使用するウォータージェット切断
  • 光による高熱を用いてカットするレーザー切断

 

銅はステンレスなど他の金属と比較して柔らかいので、刃が鋭い鋸などを使用すれば個人でも切断可能です。しかし、柔らかい分、断面が伸びてしまいやすいので質の高い加工を行うのにはコツがいります。

 

薄い銅板であれば、上下の刃で挟みこみ部材をカットするシャーリング切断も行えます。シャーリング切断はせん断加工とも呼ばれ、普段の生活の中で使用している「はさみ」をイメージするとわかりやすいかもしれません。

 

銅は導電性に優れているので、電気を流して部材を切断するワイヤーカット放電加工も可能です。

その一方で、レーザー切断は銅の光沢がレーザー光を反射してしまうのであまり向きません。銅でレーザー加工を行うのであれば、対応している機械を使用する必要があります。

 

 

ガス切断は銅に適していない

 

金属の切断方法にはガス切断もありますが、銅には不向きです。

ガス切断は、部材の切断する部分を高温に熱し、熱した部分に高純度の酸素を吹きかけて行います。部材と酸素が化学反応を起こし、酸化していく際の熱を利用して部材を溶かす仕組みです。

 

ガス切断に適した金属の特徴
  • 酸化しやすい
  • 800~900℃の高温でも変形しにくい

 

鋼鉄は上記の特徴を持つので、ガス切断がよく使用されています。一方で、銅は鉄と比較すると錆びにくく、何より熱に弱い金属です。

 

銅は200℃を超えると軟化してしまいますし、熱伝導率が高いのでカット部分のみを高温に保つのは困難です。

以上の理由から、銅はガス切断には不向きとなっています。

 

 

銅の切断をする場合のポイント

 

銅を切断をするときには、以下の3つのポイントに注意しましょう。

 

  1. 鋭い刃で切断すること
  2. バリが発生しやすいので必ずバリ取りを行う
  3. レーザー加工するときには反射防止剤を塗る

 

鋭い刃で切断を行うと、加工の際に加わる力が一点に集中しやすくなります。力が加わる点が狭くなればなるほど、カット面もきれいに仕上がりやすいです。

銅はステンレスなど他の金属と比較して、柔らかく伸びやすい特徴を持っています。鋭くない刃で加工しようとすると、カット面が変形しやすくなってしまうのでご注意ください。

 

また、銅は柔らかく伸びやすいので、切断時にはどうしてもバリが発生してしまいます。切断を行う際には、バリは必ず発生するものと考え、その後のバリ取り工程まで考えて設計、加工を行うのがおすすめです。

具体的には、バリ取りしやすい形状に設計する、バリの発生を抑えるために刃先の鋭い工具を使用するなどの対策が良いでしょう。

 

銅は光沢があり、見た目が美しい金属です。美しい光沢は製品として使用する際にはメリットかもしれませんが、レーザー加工を行う際には注意が必要です。

光沢によりレーザー光を反射してしまわないように、反射防止剤を塗布しておきましょう。

 

このように銅の切断を行う際には、銅が持つ特徴を理解し、適切な加工方法を選択する必要があります。

株式会社新進は、銅加工を常日頃から行っている町工場との強いネットワークを持っています。他社で加工を断られてしまった方や銅加工にお悩みをお持ちの方は、ぜひお気軽にお問い合せください。

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