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旋盤とは|構造と種類、作れるものを解説

旋盤加工

2023.12.8

旋盤とは工作機械のひとつで、回転する材料に工具を当てて削ることができます。旋盤を使うことで外径やテーパなど様々な加工が可能で、金属加工では最も使用される機械です。

この記事では、旋盤とはどんな機械なのか特徴を踏まえ紹介し、その構造や種類についてもまとめました。

 

 

旋盤とは

 

旋盤とは、チャックと呼ばれる回転する台座に金属材を取り付けて、そこにバイトという工具を当てて材料を削る機械のことを指します。材料の取り付け方や工具の内容で様々な形に整えることができ、金属加工では1番登場機械の多い機械とも言えるでしょう。

 

旋盤加工の製品事例

▲旋盤で仕上げた金属部品

 

最大の特徴は、加工する金属を回転させるので、筒状の形を作るのに適している点です。一方で、工具を回転させるのはフライス盤と呼ばれ、こちらは逆に四角い形を作るのに向いています。

≫フライス盤とは|特徴と種類、作れるものや旋盤との違いを解説

 

旋盤で作れるもの

 

旋盤は取り付ける工具によって色々な加工を行うことができます。具体的には次の通りです。

 

旋盤で出来ること
  • 外径加工
  • 内径加工
  • テーパ加工
  • 溝加工
  • 穴あけ加工

 

どれかひとつではなく、基本的にはこれらを組み合わせて形を整えます。詳細は次の記事をご覧ください。

≫旋盤加工とは?|ターニングのメリットと5つの種類を解説

 

 

旋盤の構造

 

旋盤は以下の部品や機能により構成されています。それぞれの役割を順に解説します。

 

  • 主軸台
  • 心押台
  • 往復台
  • 送り機構
  • チャック

 

主軸台

 

主軸台

金属材を取り付けて回転させる部分を指します。内部にはモーターがあり、金属を削る際に大きな抵抗や振動があるので、それに耐えうる耐久性がなくてはいけません。

 

心押台

 

主軸台と反対に設置されており、回転する金属材を両端から押さえてぶれないようにする役割を担っています。また、先端を工具に変えて金属材の中心を削り、穴あけにも対応することが可能です。

 

往復台

 

往復台

工具を取り付けて、左右に動かせる部分を指します。切削をする刃物台とサドル、縦・横・ねじ切り送りを伝える装置(エプロン)があり、これを操作して作業を進めます。

 

送り装置

 

送り装置

往復台の上に設置されている部分で、切削工具を縦や横に動かせます。往復台と同じ機能ですが、さらに細かな設定ができるので、精密さが要求される場合に重要な装置です。

 

チャック

 

チャック

主軸台に取り付けられていて、加工対象の金属材を固定する部品です。複数ある爪で固定するものが多いですが、爪のないものや磁力によって固定するチャックもあります。

 

 

旋盤の種類

 

旋盤加工に様々な種類があるように、加工機にもいくつか種類があります。代表的な加工機は下記の6つです。

 

旋盤加工機の種類
  • 普通旋盤(汎用旋盤)
  • 卓上旋盤
  • 立旋盤
  • 横旋盤(正面旋盤)
  • NC旋盤(CNC旋盤)
  • タレット旋盤

 

 

普通旋盤(汎用旋盤)

 

作業者が刃物の送り操作や、工具の交換作業をすべて手動で行う旋盤です。手動で作業できるため、下記のような部品の製造に適しています。

 

  • 小ロットもしくは1点物で複雑な形状の部品や製品
  • 微調整を加えながら仕上げる試作品

 

普通旋盤では回転数も自由に設定できますが、手動ではなくあらかじめ設定した回転数をレバー操作で行います。

なお、回転数は工作物によって変える必要があります。

 

 

卓上旋盤

 

作業台に設置できる小型の旋盤で、ベンチレースとも呼ばれます。大きさは違うものの普通旋盤と操作方法は変わらず、複数の加工方法に対応可能です。

 

普通旋盤では対応できない下記の特徴を持つ部品や製品の製造に向いています。

 

  • ボルトなどの小さい部品
  • 試作品の製作

 

 

立旋盤

 

名前の通り主軸が縦向きで、工具を地面と垂直方向に動かして使用します。

普通旋盤は重力や遠心力によって加工物がたわむ場合がありますが、立旋盤はその影響がなくなるので精度が上がります。そのため、非常に大きな製品でも加工が可能です。

 

 

横旋盤(正面旋盤)

 

主軸を横向きとしており、工具を地面と平行に動かして使用します。普通旋盤や卓上旋盤と異なり、部材を面盤で固定するので、大きな部品や製品の加工にも対応できます。

 

また、加工時に発生する切りくずが重力により地面に落ちるので、立旋盤と比較して部材に傷がつきにくく連続で加工を行いやすいです。切りくずを巻き込むこともありません。

ただし、重力の影響で加工物がたわんでしまうので、精度が求められる製品は立旋盤を選んだ方が良いでしょう。

 

 

NC旋盤(CNC旋盤)

 

プログラムによって制御している旋盤です。近年では、コンピュータによる数値制御を行うのが一般的なので、NC旋盤のことをCNC旋盤と呼ぶこともあります。

 

コンピュータによって制御するため、手動の方法と異なり下記のメリットがあります。

 

  • 加工時間が短くてすみ生産性が高い
  • 作業者のスキルによる差がなくなり品質が安定する

 

一方で、作業時にはプログラミング作成やテスト稼働が必要になり工数が増えます。

そのため、小ロット生産や一点物の製作の場合には、手動の旋盤機械を用いた方が良いケースも多いです。

 

 

タレット旋盤

 

普通旋盤などは加工方法を変える際に、工具を付け替える手間が発生します。それに対してタレット旋盤は、タレットと呼ばれる旋回式の刃物台がついていて、この刃物台を回すだけで工具の切り替えが完了します。

 

そのため、加工全体の工数を少なくして時間短縮が可能です。以下のような製品に適しています。

 

  • 同一製品を大量生産する
  • 微調整が必要な精度の高い製品

 

以上です。株式会社新進では、旋盤を始めとして金属加工のコーディネートを行っています。

金属加工でお困りの場合はお気軽に以下のページよりお問い合わせください。

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