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アルミとステンレスの溶接が難しい2つの理由|具体的な接合方法を解説

溶接

2024.5.8

アルミとステンレスの溶接は、基本的にはできないと考えた方が良いです。これは、アルミとステンレスそれぞれの特性が大きく影響しているためで、異種金属の中でも特に溶接が難しい組み合わせと言えます。

 

仮に溶接できたとしても、十分な強度が保てず、加えて溶接欠陥等も起きてしまう可能性は高いです。そのため、この2つは溶接ではなく、他の方法で接合する方が無難でしょう。

 

この記事では、アルミとステンレスの溶接が難しい理由を解説します。加えて、2つを接合する方法も紹介しましたので、検討の資料としてご覧ください。

 

 

アルミとステンレスの溶接が難しい2つの理由

 

アルミとステンレスは異種金属に当たります。異なる金属の溶接は、金属加工の中でもかなりの技術と知識が求められるため、作業はとても難しいです。

 

その中でも、アルミとステンレスは別格で、基本的には溶接ができないとされています。その具体的な理由は次の2つです。

 

  • 溶け始める温度が異なる
  • 熱が伝わる速度が異なる

 

 

溶け始める温度が異なる

 

溶接は対象の金属を溶かして行います。そのため、溶け始める温度(溶融点)がとても重要で、アルミとステンレスでは以下のように異なっています。

 

アルミとステンレスの溶融点
  • アルミ:約600℃
  • ステンレス:約1,400〜1,500℃

 

ステンレスは炭素鋼をベースにしており、溶融点は鉄と似ています。ステンレスが溶ける温度に達したときには、アルミはドロドロに溶け落ちているため、溶接はまず不可能なのです。

 

 

熱が伝わる速度が異なる

 

溶接作業において重要な特性として熱伝導率があります。熱伝導率は、その金属に伝搬する温度の速度を表しており、アルミはこの数値が高い金属に当たります。

 

アルミとステンレスの熱伝導率
  • アルミ:約240W/(m・k)
  • ステンレス(SUS304):約17W/(m・k)

 

数値が高いとその金属は熱が伝わりやすくなります。よく使用されているステンレスのSUS304と比較すると、アルミは14倍以上も高いです。

そのため、アルミは溶接で加える熱が周囲に広がりやすく、後半は溶ける速度が早まってしまいます。一方のステンレスは熱伝導率が高くないので、作業スピードにも大きな違いが発生してしまうのです。

 

 

アルミとステンレスの接合する方法

 

溶融点と熱伝導率の違いで、アルミとステンレスはほぼ溶接は不可能と言えます。そのため、組み合わせるには別の方法を行う必要があり、具体的にはリベット接合があります。

 

▲リベット接合の事例

 

2つの材料に穴を開けて、リベットと呼ばれる鋲のような部品を使って固定する方法です。差し込んで先端をつぶすだけなので作業が簡単というメリットがあり、接合部も緩みにくいので強度も高くなります。

 

一方で、部材を重ね合わせたりリベットが追加されるため、製品全体の重量が増えてしまいます。加えて、板状の金属に限定されるので、湾曲した製品には使用できないデメリットもあります。

 

以上です。接合には他にもろう付けや、新しい手法としてホットワイヤとレーザーを組み合わせた技術も開発されています。

株式会社新進では、異種金属の溶接・接合を始めとして様々な金属加工をコーディネートしていますので、お困りの際はお気軽にお問い合わせください。

 

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