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鉄の切削加工の方法|炭素鋼の切削性の違いと依頼先を選ぶ際のポイント
鉄
2023.6.15
鉄は含まれる炭素の量(炭素鋼)によって、硬度がまったく違います。そのため、鉄の種類で切削性が違うため、求める形状や強度に合わせて材料を選ばなくてはいけません。
また、鉄の切削加工方法はいくつかあり、主な方法は旋盤加工やフライス加工、穴あけ加工の3つです。それぞれで内容が異なるので、目的に応じて使い分けられています。
本記事では、鉄の切削性や加工方法について解説しました。合わせて、切削を依頼する場合のポイントもまとめていますので、業者選びでご活用ください。
鉄に含まれる炭素量と切削性の違い
鉄は炭素鋼と合金鋼の2種類に大きく分けられます。鉄というと一般的には炭素鋼を指しますが、炭素の量によってその種類が違い、含有量で硬さも変わります。
- 低炭素鋼
炭素含有量が0.1~0.25%で切削しやすい
- 中炭素鋼
炭素含有量が0.25~0.6%で強度と切削性のバランスが良いため、使用される機会が多い
- 高炭素鋼
炭素含有量が0.6~1.2%で非常に硬く、切削性は低炭素鋼や中炭素鋼に比べて劣る
そのため、鉄の種類や炭素量などを把握した上で、工具や加工方法を選択しなければなりません。
また、クロムやニッケルなど他の元素を添加した合金鋼のほとんどは、鉄よりも強度が高いため切削加工が難しいため、工具選びや適切な加工条件の設定が必要です。
主な鉄材(炭素鋼)の種類
炭素鋼は種類が多く、様々な用途に使用されています。代表的な炭素鋼は主に下記の通りです。
種類 | 特徴 |
SS材 | 代表的な炭素鋼で、流通量が1番多い
一般構造用圧延鋼材とも呼ばれ、建築物などに使用されている |
S-C材 | SS材に次いで広く使用されている
機械構造用炭素鋼鋼材と呼ばれ、機械構造部品や工具類に使用される |
SPC材 | 炭素量が少なく柔らかく伸びやすい
板材のみ取扱いがあり、家電製品で使用されることが多い |
SK材 | 強度と耐摩耗性に優れている
工具やピンやシャフトなどに使用される 丸棒や平鋼形状が多い |
鉄の切削加工の種類と方法
鉄の切削加工には様々な種類がありますが、主な方法は下記の3つです。順に解説します。
旋盤加工
旋盤加工は、回転させている材料に工具を当てて、不要な部分を削り取る加工方法です。使用する工具によって、下記のように様々な種類の加工を行えます。
- 外径加工
- 内径加工
- ねじ切り加工
- 突切り加工
旋盤加工で使用する機械には、作業台の上で使用できる卓上旋盤や大型の立旋盤など複数の種類があります。作りたい形状に合わせて加工方法や刃物、旋盤を選ばなければなりません。
旋盤加工は丸型の製品の加工に向いていて、加工条件を変えれば様々な形状に仕上げられる点がメリットです。詳しくは次の記事で解説しています。
フライス加工
フライス加工とは、回転している工具に材料を当てて削り取る加工方法です。平面や溝を作るのに適していて、工具を変えれば様々な加工を施すことができます。
- 正面フライス削り
- 輪郭エンドミル削り
- 溝削り
- すり割り
加工機も、卓上で使うものからコンピュータ制御できるものまで様々です。詳しくは次の記事でご覧ください。
≫フライス加工とは|主な特徴と種類、行う場合の注意点について
穴あけ加工
穴あけ加工は名前の通り、部材に穴を開ける加工です。開ける穴の種類によって下記のように分類されています。
- 穴あけ加工
- 座ぐり加工
- リーマ加工
- タップ加工
ボルトの頭部を沈められる座ぐり加工に、ネジ山を作れるタップ加工と様々できます。詳しくは次の記事でまとめました。
鉄の切削加工を依頼する場合のポイント
切削加工は専用の機械が必要なので、依頼するケースがほとんどです。加工業者に依頼する場合は、次の点に気をつけましょう。
- 実績は十分か?
- 決められた納期を守れるか?
- 必要な加工を1社だけで対応できるか?
切削加工は工具を使えば誰でもできますが、仕上がりは全く異なります。
使用する工具は何にするか、どれくらいの速度で削り、送り速度はどうするか。これらは経験と知識が大きく左右するので、これまでの実績がとても大切です。
また、切削加工は様々あるため、専用の設備を持っていない会社もあります。あるいは、持っていても得意ではないこともあり、その場合は他社に協力を仰ぐことも普通です。
ですが、提携している業者が少ないと、スケジュールが遅くなる、見積もりが必要以上に高くなる、などのリスクもあります。そのため、多くの提携先があるかどうか?は重要なポイントなのです。
株式会社新進は、大阪・九条町の職人300名以上と提携しています。鉄の切削加工でお困りなら、いつでもお気軽にお問い合わせください。
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