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銅の穴あけ加工のポイント|使用するドリルと条件について

2022.6.2

銅は他の金属と比較して柔らかいので、穴あけ加工時には部材の変形に注意しながら作業を行う必要があります。

更に、銅は熱に弱く、200℃以上では軟化してしまう特徴を持っています。そのため、削りクズが工具に溶着しないように、注意しなければなりません。

 

穴あけ加工を成功させるには、部材や工具に合わせて条件の設定をしましょう。例えば、ドリルの回転速度が遅いと、切削抵抗が増してしまい工具と部材が高温になりやすいです。

高温での作業を防ぐために、ドリルの回転速度は速くしましょう。

本記事では銅の穴あけ加工をする際のポイントをわかりやすく解説していきます。

 

 

銅の穴あけ加工に関する特徴

 

銅はステンレスなど他の金属と比較して、非常に柔らかく伸びやすい金属です。そのため、穴をあけやすい一方で、加工部分の変形に注意する必要があります。

作業時に考慮しておきたい銅の特徴は、主に以下の通りです。

 

  • 柔らかく加工しやすい
  • 熱伝導率が高いので工具や部材に熱がこもりにくい
  • 導電率が高い
  • 熱に弱く200℃以上では軟化してしまう

 

また、上記の特徴以外にも、銅は錆びにくく磁性がないなどの特徴もあります。

 

 

銅の穴あけ加工をする場合のポイント

 

銅の穴あけ加工を行う際には、特徴を押さえて加工条件の設定をしましょう。特に注意しておきたい部分を3つ解説していきます。

 

3つのポイント
  • ドリルの回転速度は速くする
  • 切れ刃の状態が良いドリルを使用する
  • 切削油(クーラント)を使用する

 

 

ドリルの回転速度は速くする

 

回転速度を遅くしてしまうと、切削抵抗が増してしまい以下のトラブルが発生する恐れがあります。

 

  • 穴あけ部分以外も変形してしまう
  • 部材が高温になり加工時に出たクズが刃に溶着してしまう

 

銅は熱に弱く、200℃以上では軟化しやすく工具との溶着が起きる可能性もあります。作業時は熱の発生を抑えるためにも、ドリルの回転速度は高速状態にしておくのが良いでしょう。

特に、純銅は銅合金よりも切削抵抗が大きいので、作業時にはご注意ください。

 

 

ドリルの切削条件について

ドリル使用時には、切削速度と送りの2種類を設定します。切削速度とは外周速度であり、送りとは1回転あたりにドリルが進む長さを表しています。

2つの条件はそれぞれ部材や加工する穴の深さ、使用するドリルなどに応じて設定しましょう。

 

なお、切削速度は以下の計算式で表せます。

 

切削速度=(3.14×刃径×回転数)÷100

 

ただし、ご自身で切削速度の計算をする必要はありません。切削速度は、メーカーのカタログに掲載されているケースが多いので、ドリルの品番をチェックして調べてみると良いでしょう。

 

 

切れ刃の状態が良いドリルを使用する

 

ドリルを使用する際には回転速度を速くするだけでなく、刃も切れ味の良いものにしておきましょう。ドリルの刃の切れ味が悪いと、部材と刃の接着面が大きくなってしまいます。

 

それにより部材が変形してしまう、作業時に高温になってしまうなどの恐れがあるからです。銅は非常に柔らかい金属であり、加工時には部材の変形に注意する必要があります。

できるだけ切れ味の良い刃を使用して、部材の変形やバリの発生を抑えましょう。

 

 

切削油(クーラント)を使用する

 

熱の発生を抑えるためや加工によって発生したクズと工具の溶着を防ぐために、切削油(クーラント)を使用しましょう。

 

ただし、加工時にクーラントを使用するときには、必ず油性のものを使用してください。水性のクーラントを使用してしまうと、化学反応を起こしてしまい変色してしまう恐れがあります。

 

また場合によっては、銅の成分がクーラントに溶け出し、べたついてしまう可能性もあるのでご注意ください。

 

 

銅の穴あけ加工の事例を紹介

 

最後に株式会社新進の関連企業で行った銅の穴あけ加工の事例を紹介します。

銅の穴あけ加工の事例

▲穴あけ加工と複数の加工を組み合わせることも可能です

 

株式会社新進は、銅加工を常日頃から行っている町工場との強いネットワークを持っています。他社で加工を断られてしまった方や銅加工にお悩みをお持ちの方は、ぜひお気軽にお問い合せください。

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