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アルミ板の曲げ加工の方法|折り曲げる場合の2つの注意点について
アルミニウム
2022.10.27
アルミは金属の中でも比較的柔らかく、曲げ加工も行いやすいです。アルミ板を曲げるには、ロール曲げ加工やベンダー曲げ加工、プレス曲げ加工などの方法があります。
それぞれの加工方法には、メリットとデメリットがあるので仕上げる形状によって使い分けることも大切です。
また、アルミは靭性が低く圧力を加えると脆く壊れやすい特徴を持っています。そのため、曲げ加工時にはクラックに注意して作業をしなければなりません。
さらに、弾性も高く曲げ加工をした部材が元の形に戻ってしまうスプリングバックにも気を付けて作業をしましょう。
本記事では、アルミの曲げ加工に用いられる主な方法や作業時の注意点をわかりやすく解説していきます。
アルミ板の曲げ加工の主な方法
アルミは金属の中でも比較的柔らかく曲げ加工も行いやすいです。アルミ板を曲げるときには、主に以下の方法が用いられます。それぞれ詳しく解説していきます。
- ロール曲げ加工
- ベンダー曲げ加工
- プレス曲げ加工
ロール曲げ加工
ロール曲げ加工とは、ロールの間に部材となる板を通して折り曲げる方法です。ロールの太さを変えることによって様々な大きさに加工できますし、半円状のロールを使用するなどの方法でテーパー状に仕上げることもできます。
ベンダー曲げ加工
ベンダー曲げ加工とは、V曲げダイとパンチの間に部材を挟むことによって曲げる加工方法です。圧力の加え方や、ダイとパンチの形状によって様々な加工ができる点が強みです。
一方で、加工時には金型が必要になるのでコストがかかる点や、ロール曲げ加工と違って曲線曲げに適さない点がデメリットといえるでしょう。
プレス曲げ加工
プレス曲げ加工とは、固定した部材に圧力を掛けて曲げる方法です。加工に使用する板や金型、圧力の加え方によって以下のように分類できます。
- L曲げ
- U曲げ
- Z曲げ
- R曲げ
- O曲げ
- ヘミング曲げ
- 押さえ巻き曲げ
上記のように、プレス曲げ加工は様々な形に仕上がります。一方でアルミのプレス曲げ加工を行う際には、スプリングバックに気を付けて圧力を加えなければなりません。
アルミ板の曲げ加工における2つの注意点
アルミ板は柔らかく曲げやすい一方で、加工時には金属の持つ次の2つの特徴を把握しておく必要があります。
- 靭性
- 弾性
靭性とは金属の粘り強さを示す数値であり、靭性が高ければ高いほどその金属は壊れにくい特徴を持っています。アルミは金属の中でも靭性が低いです。
また、弾性とは金属が元に戻ろうとする性質で、アルミは金属の中でも弾性が高いです。以上を踏まえた上で、次の2点に注意して曲げ加工を行います。
クラック対策をする
先ほど解説したように、アルミは靭性が低いので曲げ加工時に圧力を加えた際にクラックが発生しやすいです。
クラックとは、曲げ加工時に発生してしまうひび割れです。クラックを防ぐためには、以下の工夫をしておきましょう。
- Rを大きくする
- 材料の圧延方向と曲げ線を直角もしくは角度をつける
スプリングバックを意識する
アルミは弾性が高く、加工時に圧力を加えても元の形状に戻りやすい特徴を持っています。加工時には部材の特徴を把握して、圧力を加えなければなりません。
具体的には、以下の点に気を付けて作業しましょう。
- スプリングバックをシミュレーションして圧力をかける
- 曲げ加工した部分を圧縮してスプリングバックを抑制する
このように、質の高い曲げ加工を行うには部材になるアルミの特徴を把握しておかなければなりません。
もし、加工が上手くいかない、初めての加工で不安を感じる場合には金属加工専門工場への依頼もおすすめです。
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