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アルミパイプの曲げ加工|難しい理由と行う場合の注意点を解説
アルミニウム
2023.10.18
アルミパイプはとても曲げやすいです。これは、アルミ自体が柔らかいため、力がそこまで必要なく曲げられるためです。
ですが、これは表面上の話で、実際は難しい加工とも言われています。それは、アルミ合金のヤング率が低いことや、局部伸びという特性があるためで、これにより曲げ割れやスプリングバックを引き起こしやすいのです。
この記事では、アルミパイプの曲げ加工が難しい理由を解説し、それを踏まえて何に気をつけるべきか紹介します。
アルミパイプの曲げ加工が難しい理由
製品として使用されているアルミパイプは、そのほとんどがアルミ合金です。アルミ合金には次の特徴があり、これらが曲げ加工を難しくしています。
- 比較的柔らかい
- ヤング率が低い
- 局部伸びする
他の金属と比べると、アルミパイプはとても柔らかいです。そのため、曲げやすいという利点がある一方で、曲げ割れしやすくスプリングバックも大きい欠点があります。
スプリングバックとは曲げた金属が元に戻る性質で、ヤング率が低いアルミパイプはこの特性がとても大きいです。
加えて、アルミ黄曲げた時の伸びが一様にはなりません。これにより、曲げた際に割れやすいため、アルミパイプは柔らかいのに曲げにくい、という状態になっているのです。
アルミパイプの曲げ加工3つの注意点
アルミパイプを上手く曲げるには、アルミ合金の特性を理解した上で次の点に注意する必要があります。
- 最小の曲げR
- 加える負荷
- 加工中の傷
最小の曲げR
最小曲げRとは、アルミが割れる手前の1番小さい半径のことを指します。これを超えて小さく曲げると、内側にはシワができ、外側は割れてしまう可能性が高いです。
そのため、できるだけ大きな半径で曲げるべきですが、小さく曲げたい場合は最小の曲げRを考慮して行いましょう。
ただし、最小の半径はアルミパイプの種類で変わります。厚みによっても異なるので、断定するのは難しいです。
加える負荷
アルミパイプは比較的柔らかいので、少ない力で曲げることができます。ですが、スプリングバックの影響が大きいので、ピッタリに曲げても元に戻ってしまいます。
そのため、元に戻ることを考慮した上で、予定よりも大きく曲げましょう。ですが、このスプリングバックの大きさもアルミパイプの種類等で変わるので、実際に行って調整するほかありません。
加工中の傷
アルミパイプは柔らかいため、傷が入りやすい欠点があります。金属を曲げる場合は負荷をかけるので、力を加えた箇所に傷が入る可能性が高いです。
見た目が大切な製品であれば、保護シート等を使って曲げ加工をすることをおすすめします。
以上です。株式会社新進は、アルミを始めとする金属加工のコーディネートをしています。
町職人300名以上と提携して対応していますので、お困りの際はお気軽にお問い合わせください。
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