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鋼(炭素鋼)の溶接性|割れる原因と3つのポイントを解説

2023.11.24

鋼の溶接は、含まれる炭素の量に注意する必要があります。炭素量が多いと、熱を加えた際に著しく硬化して、溶接割れなどの欠陥を引き起こす可能性が高いです。

また、ニッケルなどの炭素以外の元素も影響があります。それらも加味して、鋼への溶接に対応することが求められます。

この記事では、鋼(炭素鋼)の溶接性と具体的なポイントを解説しました。

 

 

鋼(炭素鋼)の溶接性

 

鋼には炭素が含まれており、別名で炭素鋼とも呼ばれています。炭素の量は物によって違い、含有量により以下のように分類できます。

 

低炭素鋼 中炭素鋼 高炭素鋼
〜0.3% 0.3〜0.6% 0.6%〜

 

炭素の量が少ない低炭素鋼は比較的柔らかく、その反対の高炭素鋼は硬いです。それに加えて、炭素が増えることで脆くなり、熱にも弱くなる性質があります。

そのため、溶接による熱を加えることで周辺の硬さが増して、溶接割れという欠陥を引き起こしやすいデメリットがあるのです。

 

炭素以外の元素も溶接に影響する

 

鋼には炭素以外にも様々な元素が含まれています。マンガンやクロムなどが代表的ですが、これらも量が増えれば硬度が高まるため、溶接性低下の大きな要因となります。

 

ただし、炭素ほどは影響はしません。それぞれの元素を炭素に換算する炭素当量Ceq(%)は、次の式で次のようになります。

 

炭素当量

Ceq=C+Mn/6+Si/24+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/14

 

この式によると、モリブデンは溶接への影響が大きく、逆にニッケルは量が増えてもそこまで影響しないと言えます。

 

 

鋼(炭素鋼)の溶接のポイント

 

鋼を溶接する場合、以下の2つに注意して行うことが大切です。それぞれの内容を解説します。

 

  • 炭素量を把握する
  • 冷却速度を遅くする

 

 

炭素量を把握する

 

溶接性には炭素量が大きく影響します。そのため、まずは接合予定の部材が低炭素鋼なのか高炭素鋼なのかを把握することが重要です。

基本的に中・高炭素鋼は、溶接を考えていない鋼材として製造されています。含有量が0.3%までであれば可能ですが、それ以上であれば溶接はしないほうが懸命です。

 

 

冷却速度を遅くする

 

鋼の溶接では溶接割れに気をつける必要があります。割れを予防するには溶接後の冷却速度を遅くする必要があり、これには事前の予熱が重要です。

予熱を加えると、硬化部分が少なくなり溶接割れが起きにくくなります。これは炭素が多いほどその傾向が見られるので、中・高炭素鋼で溶接する場合はしっかりと予熱すると効果的です。

 

以上です。株式会社新進では、鋼の溶接を始めとした様々な金属加工のコーディネートをしています。

お困りの際は、以下ページよりお気軽にお問い合わせください。

 

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