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真鍮の穴あけ加工のポイント|失敗する理由とその改善策
真鍮
2022.9.26
真鍮は柔らかく加工しやすい金属ですが、伸びやすい特徴も持つので穴あけ加工時にはバリの発生に注意が必要です。バリの発生を少しでも防ぐには、使用する電動ドリルの刃を切れ味の良いものにしておくのが良いでしょう。
また、ドリルを部材に押し付けすぎてしまうと、真鍮がドリルの刃に食い込んでしまい、ドリルの刃が折れる恐れもあるので、ご注意ください。
さらに、真鍮は溶融点が低く工具との溶着を起こしやすい点にも注意が必要です。溶着を防ぐためには、切れ味の良い刃を使用する、切削油を使用するなどが有効です。
真鍮は銅と亜鉛の合金であり、同じ真鍮でも亜鉛の含有量によって特性に違いが生まれます。質の高い加工を行うのであれば、部材となる真鍮の特性についても理解しなければなりません。
本記事では、真鍮の穴あけ加工に失敗してしまう主な理由を解説します。また、作業を行う際のポイントについてもあわせて紹介していきます。
真鍮の穴あけに失敗する理由
真鍮は金属の中でも柔らかいので、市販の電動ドリルを用いて穴あけ可能です。
しかし、普段から金属加工をしていない人が加工しようとした場合には、イメージ通りの作業ができず苦戦してしまう場合もあるでしょう。真鍮の穴あけ加工に失敗してしまう主な理由は次の2つです。
- 工具を上手に使えていない
- 真鍮の特性を理解していない
工具を上手に使えていない
電動ドリルの取扱いに慣れていない人は、ドリルを強く真鍮に押し付けすぎてしまっている場合が多いです。強くドリルを押し付けてしまうと、真鍮にドリルが食い込み過ぎてしまいかえって加工しにくくなってしまいます。
電動ドリルで真鍮の穴あけを行う際には、よく切れる刃を用いあまり押し付け過ぎずに作業しましょう。
ドリルの刃に真鍮が食い込むことを防ぐために、切削油を用いながら加工を行うのも大切です。
真鍮の特性を理解していない
他の金属の穴あけ加工は上手くいくのに、真鍮のみ上手くいかない場合には、部材の特性を理解していない恐れがあります。
真鍮の穴あけ加工を行う際には、以下の特性も把握しておきましょう。
- 真鍮は銅合金なので柔らかく伸びやすい
- 溶融点が低く工具との溶着が起きやすい
- 亜鉛の含有量によって切削性が異なる
真鍮は柔らかく伸びやすいので加工しやすいと思われがちですが、工具の切れ味が悪いとバリが生じる可能性が高いのでご注意ください。
また、工具と溶着を起こしてしまうと、仕上げ面が凸凹になってしまい品質が下がります。
真鍮は銅と亜鉛の合金であり、亜鉛の含有量によって同じ真鍮でも性質に違いが生まれます。
より精度の高い加工や仕上がりの質を高めたいのであれば、金属の特性を熟知した職人に依頼することもご検討ください。
真鍮の穴あけ加工のポイント
先ほど解説したように、真鍮は柔らかいものの穴あけ加工時にはバリの発生やドリルが部材に食い込まないように注意しなければなりません。
真鍮の穴あけ加工を成功させるためのポイントを2つ解説していきます。
- 使用する工具について
- 切削油の使用について
使用する工具について
電動ドリルの刃の切れ味が悪いと、部材の真鍮が伸びてしまいバリの発生につながってしまいます。
そのため、使用する工具はプリホーミングが施されていない鋭利な刃のものを選択してください。
また、真鍮は工具との溶着を起こしやすい特徴も持っているので、切りくずを排出しやすいようにチップポケットの大きい工具を選ぶようにしましょう。
刃数が多くなるとチップポケットが少なくなるので、チップポケットの大きい2枚刃が向いています。
切削油の使用について
真鍮の穴あけ加工を行う際には、切削油を使用した方がきれいな仕上がりになります。
ただし、使用する切削油が真鍮に合わない、あるいは劣化している場合には、部材が切削油の影響を受けてしまう恐れがあるので注意が必要です。
切削油を用いて真鍮の穴あけ加工を行う際には、使用する切削油の種類や腐敗防止に気を配りましょう。切削油は銅系の切削事例が多い専用油剤がおすすめです。
金属加工の職人が行った真鍮の穴あけの事例
最後に、株式会社新進がコーディネートした真鍮の穴あけ加工の事例を紹介します。
▲曲面への穴あけ加工の事例
真鍮は柔らかく加工しやすい金属ですが、穴あけ加工時には工具選びや部材の特性を理解しなければならず難しい部分もあります。
穴あけ加工についてお困りの際には、株式会社新進にご相談ください。次のページからメールでお問い合わせが可能です。
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