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鉄板の曲げ加工|影響する特性と行う際の具体的なポイントを解説

2023.9.20

鉄板は曲げ加工がしやすい金属とされています。しかし、鉄板にも種類があり、曲げやすいものと曲げにくいものが存在します。

 

また、単純に曲げると、ひび割れが起きたり寸法違いが発生して、製品精度が落ちる可能性も高いです。この記事では鉄板の曲げ加工のポイントや注意点をまとめました。

 

 

鉄板の曲げ加工に影響する特性

 

鉄板は、一般的には曲げ加工がしやすい材料と言えます。それは、多くの資材に鉄板が使用されている点からも明らかです。

ですが、鉄板の中でも、曲げるのが難しい資材に入るものもあります。これは、鉄板に含まれる炭素の量が大きく影響しているのです。

 

鉄の特性

炭素の量(炭化鉄)が増えるほど鉄は硬くなる

 

炭素がほとんどない純鉄は、とても柔らかいので曲げ加工がしやすいです。しかし、資材に純鉄を使うことはあまりありません。そのため、炭素が含まれる炭素鋼を使用するのが一般的です。

 

 

鉄板の種類

 

鉄板は炭素量で種類が異なります。よく使用されている炭素鋼は次の2つです。

 

  • SS材:一般構造用圧延鋼材
  • SC材:機械構造用炭素鋼鋼材

 

SS材は炭素量が0.15〜0.2%ほど含まれており低炭素鋼とされています。代表的なのはSS400で、比較的柔らかい鉄板です。

SC材は炭素量が0.1〜0.6%ほどで中炭素鋼になります。そのため、SS材よりは硬い資材です。代表的なのはS45Cで、最も流通量が多く、よく鉄板にも使用されています。

 

 

鉄板の曲げ加工を行う場合のポイント

 

鉄板の曲げ加工は、プレス加工機等を使用して行います。V曲げやヘミング曲げ等を組み合わせて、求める形状に仕上げていきますが、全ての曲げ加工に共通するポイントがあります。それが次の3つです。

 

  • 曲げ加工を意識して展開図を作る
  • スプリングバックを考慮する
  • クラック・割れ対策をする

 

 

曲げ加工を意識して展開図を作る

 

製品には必ず図面がありますが、曲げ加工では、寸法に十分注意して展開図を作成しなければいけません。

鉄板を曲げると、内側は圧縮されて縮み、外側は引っ張られて伸びます。その結果、曲げた後の寸法は、切り出した鉄板よりも短くなるのです。

 

そのため、展開図の作成と実際の加工は、この誤差を考慮して補正をします。補正は加工の形状や鉄板によっても変わるので、経験や知識がとても重要と言えます。

 

 

スプリングバックを考慮する

 

スプリングバックとは、曲げ加工をした後に角度がわずかに戻り、想定よりも開いてしまう現象のことです。

これは、塑性と弾性という金属の特性が影響していて、どの金属でも必ず起こります。

そのため、スプリングバックが起きた後に、必要な角度になるように鉄板を曲げる必要があるのです。

 

 

クラック・割れ対策をする

 

鉄板は曲げた部分にひび割れが起きることがあります。この現象をクラックと呼び、曲げ半径Rが小さいほどその確率は高いです。

 

対策としては、鉄板のロール方向と平行に曲げないこと、バリ方向が内側になるように曲げることが大切です。

硬い資材ほど、曲げた際のひび割れが起きやすいので、炭素量の多い鉄板は気をつけましょう。

 

以上です。鉄板の曲げ加工は注意点も多いので、ポイントに気をつけて行ってください。

新進は、町職人300名以上と連携し金属加工のコーディネートをしています。お困りの際はお気軽にお問い合わせください。

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