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汎用旋盤とは?|特徴やNC旋盤との違い、メリット・デメリットを解説
旋盤加工
2025.10.9
汎用(はんよう)旋盤とは、作業員が旋盤機を直接コントロールして、外丸削りなどの金属加工を行うことです。普通旋盤と呼ばれることもあり、厚生労働省の資料では、「普通旋盤を用いて材料などに応じて切削条件を調整し、目的の切削を行う作業」として定義されています。
プログラミングの設定が不要で制作をすぐに始めることができ、途中の調整・修正などもできる点が大きなメリットです。
その一方で、品質の安定や大量生産についてはNC旋盤に劣る、ということも特徴としてあります。
この記事では、汎用旋盤の特徴やNC旋盤との違いなどの概要をまとめました。また、各章ではより詳細な内容をまとめた記事も掲載していますので、合わせてご覧ください。
汎用旋盤とは
汎用旋盤は普通旋盤とも言われ、手動で機械を扱って行う旋盤加工を指します。作業者がハンドルやレバーを操作し、回転する金属材に刃物(バイト)を当てて削るというものです。
主に断面を円形にすることが目的で、取り付ける工具を変更することにより、以下のように様々な作業を行うことができます。
- 外丸削り
- 端面削り
- 中ぐり
- 溝入れ
- テーパ削り
- ねじ切り
なお、日本工業規格(JIS B 0105:2012)では普通旋盤を、「水平面内で回転する主軸、ベッド、主軸台、心押台、往復台、送り機構などからなる基本的な旋盤」と定義しています。
汎用旋盤でできる加工内容については以下の記事でも解説していますのでご覧ください。
汎用旋盤とNC旋盤の違い
旋盤には汎用の他にNC旋盤と呼ばれるものがあります。両者の違いは、汎用旋盤は人が操作をして作業をするのに対し、NC旋盤はプログラミングを組み込んで機械が作業を自動的に進める、という点です。
汎用旋盤 | NC旋盤 | |
プログラムの有無 | 不要 | 必要 |
再現性 | 作業者に依存 | 同一品質 |
段取り速度 | 取り掛かりが早い | 段取りが必要 |
NC旋盤については以下にまとめていますのでご覧ください。
≫NC旋盤とは?|特徴や作業上の注意点、汎用・CNCとの違いを解説
汎用旋盤の特徴
汎用旋盤の最大の特徴は、段取りから加工などの一連の流れを、作業者が直接コントロールできる、という点です。
これにより、他の旋盤とは異なるメリット・デメリットがあるため、それぞれ具体的に解説します。
メリット
汎用旋盤の主なメリットは次の通りです。
- 立ち上がりが早い
- 現物合わせに強い
- 多様な小ロットに柔軟に対応できる
NC旋盤と違いプログラムが必要ないため、短時間で段取りが行えます。そして、微修正もその都度できるので、単品や試作品、修理などの現場で威力を発揮しているのが汎用旋盤です。
技能検定や職業訓練でも、普通旋盤は切削の理論と段取り力を養う基礎的な技術として活用されています。
デメリット
汎用旋盤の主なデメリットは次の通りです。
- 品質が作業者に依存する
- 再現性が低くばらつきがある
- 量産化には適していない
作業は人がコントロールするため、クオリティも作業者の技術力にかかっています。加えて、技能が高い作業者でもまったく同じものは難しく、品質のばらつきは避けられません。
また、同じものを大量に生産することも人が作業をするために難しいです。再現性や量産を求める場合は、NC旋盤やCNCなどの自動化された機械が適しています。
汎用旋盤の構成
汎用旋盤は、主に以下の機構により構成されています。
- 主軸台
- 心押台
- 往復台
- 送り機構
- チャック
往復台には、実際に切削をする刃物が取り付けられており、この刃物を取り替えることで外丸削りやテーパ削りなどに変更できます。
各部品の場所やそれぞれの役割は、次の記事に詳しくまとめていますのでご覧ください。
以上です。株式会社新進では、汎用旋盤などの加工を日々行なっている技術力の高い町職人と協力し、金属加工のコーディネートをしています。
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