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アルミ溶接が難しい4つの理由|溶接方法の種類と失敗しないポイントを解説
アルミニウム
2022.11.8
アルミニウムは、鉄やステンレスの約3分の1という軽さに加え、耐食性や加工性にも優れた金属です。
その一方で、溶接に関しては鉄やステンレスより難しいといわれており、溶接不良や手直しが発生しやすい金属でもあります。
というのも、アルミには表面の酸化皮膜や高い熱伝導率など、溶接を難しくする特性が4つあるからです。
本記事では、アルミの溶接が難しい4つの理由と溶接方法の種類、失敗しないためのポイントを解説します。
あわせて溶接を依頼できる業者をお探しの方に向けて、大阪・九条の弊社へのご依頼方法も紹介していきます。
アルミそのものの特徴について詳しくは、以下の記事をご覧ください。
アルミの溶接が難しい4つの理由
アルミは軽量で耐食性に優れ、多くの部品や材料に使用されています。
しかし、溶接においては材料自身の性質が溶接不具合の発生につながりやすいため、正しい知識のもとに施工しなければなりません。
溶接を難しくしているアルミの特性は、次の4つです。
- 母材よりも融点が高い酸化皮膜に覆われている
- 熱伝導率が高く、入熱のコントロールが難しい
- ブローホールなどの気孔が発生しやすい
- 溶接割れが発生しやすい
母材よりも融点が高い酸化皮膜に覆われている
アルミは酸素と結びつきやすく、室温でも空気中の酸素と反応して、表面に酸化被膜を生成します。
そしてこの被膜は、母材よりも融点が非常に高いという特徴があります。
そのため、酸化被膜が残ったまま溶接作業をすると、被膜より先に内側のアルミが溶けてしまい、母材同士の融合がうまく進みません。
熱伝導率が高く、入熱のコントロールが難しい
アルミは金属の中でも熱が伝わりやすく、溶接中に母材の加熱状態が大きく変化します。
これにより、母材が溶け込む具合も大きく変わるため、溶接の速度を一定にするとビードの幅が徐々に広がってしまい、不安定な溶接痕になりやすいです。
溶け込みや幅が揃ったビードを作るには、溶融池(プール)の大きさが一定に保つ必要があります。
そのためには、溶接の速度や溶加棒の添加量を調整しなくてはいけないため、相当に高い技術が求められます。
ブローホールなどの空洞が発生しやすい
溶けたアルミは多くの水素を溶解しやすい性質があります。
水素はそのままガスとなってアルミ内の留まってしまい、ブローホールという空洞やピットと呼ばれる表面にできるくぼみになります。
アルミの溶接における欠陥の多くは、この空洞が原因になっているケースです。
防止するには、材料の除湿保管や溶接部の前処理などをして、水素の発生源をできるだけ断つ必要があります。
溶接割れが発生しやすい
アルミは熱膨張係数が鋼に比べて大きい金属とされています。
溶接による熱やその後の冷却で、アルミは膨張や収縮が大きくなり割れが発生しやすくなります。
アルミの溶接割れは、溶けた金属が冷えて固まる際に生じる凝固割れ(高温割れ)が一般的です。
特に銅を含んだ2000番台や7000番台の合金は割れが発生しやすいとされています。
アルミの溶接方法の種類

アルミの接合方法は、リベットやボルトなどで接合する機械的接合と溶接法に大別されます。
アルミの溶接法として用いられる主な方法は、次の通りです。
| 溶接方法 | 概要 |
| イナートガスアーク溶接 (TIG溶接・MIG溶接) |
母材と電極の間にアークを発生させ、電極の周囲からアルゴンなどの不活性ガスを流して、溶接部を大気から保護しながら接合する |
| レーザー溶接 | レーザー光を被加工物に照射して接合する |
| 抵抗スポット溶接 | 重ね合わせた母材を電極で挟み、電流を流してその熱で母材を溶融させる |
| 摩擦攪拌溶接 | 母材を溶融させず、接合部分に攪拌棒を密着させ、高速で回転させながら移動させて、その摩擦熱で接合する |
| ろう溶接 | 接合する母材よりも融点の低い合金を接合部に溶かし込んで接合する |
引用:おもしろサイエンス アルミの科学
このうち、アルミの溶接で最も一般的なのがTIG溶接です。
タングステン電極と母材の間にアークを発生させ、不活性ガスで溶接部を保護しながら接合します。
ただし、鉄やステンレスのTIG溶接が直流で行われるのに対し、アルミのTIG溶接は交流で行うのが原則です。この理由は、次の章で解説します。
アルミの溶接で失敗しないための3つのポイント
アルミの特性を踏まえた上で、質の高い溶接を行うためのポイントは以下の3つです。
- 交流のTIG溶接機を使う
- 溶接前の下処理を徹底する
- 母材に合った溶加材を選ぶ
交流のTIG溶接機を使う
TIG溶接をアルミに使用する場合は、直流ではなく交流のTIG溶接機を使用しましょう。
というのも、交流のTIG溶接には母材表面の酸化被膜を壊してクリーニングする作用があるからです。

交流では電流の向きが周期的に入れ替わります。
電極がプラスになったときに酸化被膜を壊し、電極がマイナスになったときに母材を溶かす仕組みです。
この2つを繰り返すことにより、アルミの酸化被膜を除去しながら溶接が進められます。
溶接前の下処理を徹底する
酸化被膜とブローホールへの対策として、溶接前の下処理がとても重要になります。具体的には次の作業を徹底しましょう。
- 溶接線付近の母材表面をワイヤブラシやヤスリで研磨して酸化皮膜を除去する
- アルコール脱脂などの前処理で、母材や溶加材に付着した水分・油分を取り除く
- 材料を除湿保管してガスホースのひび割れがないかチェックする
下処理を怠ると、ビード表面に大量のピットが発生するなど、欠陥の原因になります。
地道な作業ですが、仕上がりの品質を大きく左右する工程です。
母材に合った溶加材を選ぶ
アルミ合金は、純アルミの1000番台から7000番台まで添加元素によって分類されており、それぞれで溶接性も異なります。
| 分類 | 合金番号 |
| 非熱処理合金 | 純Al(1000番台) Al-Mn系合金(3000番台) Al-Si系合金(4000番台) Al-Mg系合金(5000番台) |
| 熱処理合金 | Al-Cu系合金(2000番台) Al-Mg-Si系合金(6000番台) Al-Zu-(Mg,Cu)系合金(7000番台) |
引用:図解入門 現場で役立つ溶接の知識と技術
非熱処理合金のアルミの多くは溶接性が良く、反対に熱処理合金は溶接性が良くありません。
特に、2000番台と7000番台は銅を含んでおり、溶接割れが生じやすいので注意が必要です。
母材と溶加材の組み合わせは、日本産業規格が定めるアルミニウムのイナートガスアーク溶接作業標準に掲載されているので、そちらを参考に選定しましょう。
なお、アルミ合金の種類について詳しくは、以下の記事で解説していますのでそちらもご覧ください。
≫アルミ合金とは?|アルミとの違いや特徴、種類ごとの用途を紹介
アルミの溶接を依頼するなら株式会社新進へ
アルミの溶接には材料そのものの知識と高い技術が必要です。単純に溶接しても、ブローホールなどの欠陥が生じる可能性が高いので、専門の金属加工会社に相談しましょう。
株式会社新進は、大阪・九条の町職人300名以上とネットワークを築いており、60年以上に渡って金属加工のコーディネートをしています。アルミの溶接はもちろんのこと、作業が難しいとされるパイプ型や鋳物についても経験豊富や職人が対応します。

▲アルミの溶接事例

▲複雑な形状でも溶接が可能
ご相談の際に図面がなくても、イメージが共有できるスケッチなどがあれば結構です。スケッチとヒアリングを元に、図面作成から始めることもできます。
また、お見積りは原則として営業日であれば当日、もしくは翌日にお渡しが可能です。
まとまった量の製作ではなく、試作品1つや小ロットでも注文はお受付していますので、アルミの溶接でお困りの場合は以下ページよりお問い合わせください。
※当社は業者・企業様向けの金属加工サービスを提供しております。
※個人のお客様のご相談は現在承っておりませんので、ご了承ください。
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