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アルミ鋳物の溶接が難しい3つの理由|行う場合のポイントを解説
アルミニウム
2024.1.22
アルミの鋳物は溶接がとても難しいです。アルミが溶ける温度は金属の中でも低く、特に鋳物になるとさらに溶融点が下がるので、さらに溶接が困難になります。
加えて、鋳物は元々から欠陥が多く見られるため、溶接によりその欠陥が拡大してしまいます。その結果、見た目が悪く強度も保てないので、アルミの鋳物は溶接がオススメできません。
この記事では、アルミ鋳物の溶接が難しい理由をまとめました。また、溶接する場合の注意点も触れていますので、検討している方は参考にしてください。
アルミ鋳物の溶接が難しい3つの理由
そもそもアルミは溶接がとても難しい金属のひとつです。これは、アルミの表面が酸化皮膜で覆われていることが大きく影響しています。
これに加え、アルミの鋳物になると以下3つの要素により、溶接が余計に難しいとされているのです。
- 添加物が多い
- 肉厚が同じでない
- ブローホールがある可能性が高い
添加物が多い
アルミは元々から溶融点がとても低い金属です。鋳物になると銅やケイ素、マグネシウムなどの様々な元素が多いため、さらに溶ける温度が低くなります。
溶融点が低いと溶けるまでの速度が早いので、溶接箇所が溶け落ちたり、溶け込みが過剰になる恐れがあります。溶けすぎるとアンダーカット等の欠陥も現れるので注意が必要です。
肉厚が同じでない
鋳物は溶かした金属を型に流し込んで製造します。厚みは均一になるのが望ましいですが、必ずしもそうならない可能性は高いです。
肉厚が異なる場合、厚みのある箇所は溶接速度を遅くして、逆に薄い箇所は速くしなくてはいけません。速度を変えなくては溶け込み不良等が起こり、適切な強度がなくなってしまうのです。
ブローホールがある可能性が高い
アルミの鋳物は、製造する過程でブローホールと言われる気泡が出来るのが普通です。このブローホールは溶接欠陥のひとつで、外観が悪くなり気密性も低下し、さらには強度への影響もあります。
鋳物を溶接すると、この気泡がさらに大きくなる恐れがあり、欠陥の影響が膨らんでしまいます。アルミのダイカストは気泡が多いケースがほとんどなので、溶接はしない方が良いとも言われています。
アルミ鋳物の溶接を行う場合のポイント
アルミの鋳物は、基本的に溶接しない方が良いです。ですが、どうしても溶接が必要な場合は以下の点を意識して行うことをオススメします。
- 溶接の入熱量は低くする
- 欠陥の少ない鋳物を使う
まずは、溶接する際の入熱は低くしましょう。鋳物はアルミ合金よりも溶融点が低いので、それよりもさらに下げることが第一です。
加えて、できるなら肉厚が均一でブローホール等の欠陥があまりないアルミ鋳物を使用しましょう。欠陥がある状態だと溶接により余計に症状が大きくなるので、良質な鋳物を選ぶことも重要です。
アルミ鋳物の溶接でお困りの際は、株式会社新進にお気軽にお問い合わせください。
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