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ジュラルミンとは?|成分や強度などの特徴、種類や欠点を解説

アルミニウム

2024.2.5

ジュラルミンはアルミニウムに銅やマグネシウムを加えた合金です。とても軽く、その上で強度も高いために様々なシーンで利用されています。

また、種類も超ジュラルミンと超々ジュラルミンの3つがあり、それぞれに特性が異なります。そのため、どんな用途に使うのかを考え、適切なジュラルミンを選ぶことが大切です。

 

この記事では、ジュラルミンとは何かその特徴をまとめました。成分や強度に加えて、ジュラルミンの欠点も解説しましたので参考にしてください。

 

 

ジュラルミンとは?その特徴について

 

ジュラルミンはアルミニウム合金のひとつとされています。日本では戦前からジュラルミンの開発が進められ、第二次世界大戦前には超々ジュラルミンが世界に先駆けてゼロ戦などの航空機に使用されました。

 

ジュラルミンとアルミの大きな違いは強度の高さです。軽さというアルミの特徴に硬さが追加されたことで、航空機や宇宙機器、自動車や鉄道などの幅広い用途に使用されています。

 

 

成分

 

ジュラルミンはアルミと銅、マグネシウムで主に構成されています。アルミは軽量ですが柔らかいので、銅を加えることにより強度を確保しています。

ジュラルミンの主な成分比は次の通りです。

 

ジュラルミンの成分比
  • アルミ:約95%
  • 銅:約4%
  • マグネシウム:約0.5%

 

 

強度

 

ジュラルミンの強度をブリネル硬さ(HB)で示すと105です。純アルミが65HBなので、ジュラルミンはかなり強度が高いと言えます。

しかし、他の金属と比較すると硬度が高いとは言い難いです。

 

  • 炭素鋼:180HB
  • ステンレス:180HB
  • チタン合金:330HB

 

ジュラルミンは軽量でありながら強度が高いことが最大の強みです。そのため、ジュラルミンの比重は2.79と低く、ステンレスの比重7.93と比べるとかなりの差があります。

 

 

融点

 

ジュラルミンの融点は約660℃です。これは金属の中では低い部類に入り、他と比べると次の通りになります。

 

  • 鉄:1536℃
  • 金:1064℃
  • 銅:1083℃
  • チタン:1670℃

 

ステンレスは種類によって変わりますが、約1,300〜1,400が融点です。ジュラルミンは融点が低いので、切削や溶接に注意が必要となります。

 

 

ジュラルミンの種類と違い

 

ジュラルミンには、超ジュラルミンと超々ジュラルミンを含めた3種類があります。

ジュラルミンと超ジュラルミンは、銅とマグネシウムの添加量が異なるだけで主成分は同じです(Al-Cu-Mg系)。超々ジュラルミンは亜鉛を添加した金属で、強度がさらにアップしています(Al-Zn-Mg系)。

 

種類 ジュラルミン 超ジュラルミン 超々ジュラルミン
合金番号 A2017 A2024 A7075
主成分 Al・Cu・Mg Al・Cu・Mg・Zn
ブリネル硬さ(HB) 105 120 160
比重 2.79 2.78 2.80

 

 

ジュラルミンの欠点

 

軽量で強度が高く汎用性の高いジュラルミンですが欠点もあります。それが次の2つです。

 

ジュラルミンの欠点
  • 耐食性
  • 溶接性

 

ジュラルミンには銅が含まれています。そのため耐食性は低く、銅がさらに多い超ジュラルミンはアルミ合金の中でかなり弱い部類になります。

加えて、溶接性も高くはありません。溶接割れを起こしやすいため、一般的にはボルト等で固定する方法を行います。

超々ジュラルミンは亜鉛が含まれているので、溶接中に亜鉛中毒を起こす可能性も考えられます。

 

対策としては、アルマイト加工により酸化被膜を生成すると耐食性は向上します。また、溶接条件を適切に設定すればジュラルミンでも可能ですので、経験や実績の多い業者に相談すると良いでしょう。

 

株式会社新進では、ジュラルミンの加工に関するご相談をお受け付けしています。以下ページよりお気軽にお問い合わせください。

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