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チタンのレーザー加工とは|切断・溶接・彫刻の方法と注意点を解説
チタン
2025.6.11
チタンは硬度が高く、変形もしやすい性質があります。そのため、レーザーを使用した加工はとても有効で、高品質な製品を製造することができます。
レーザー加工では、カットや接合、刻印など様々な方法が可能で、熱による歪みや変形も少なく、触らずに加工できるので摩耗もありません。
しかし、レーザーによるチタン加工では、お互いの特徴による注意点もあります。この記事では、チタンのレーザー加工の方法とメリット、注意点について解説しました。
レーザーでできるチタン加工の方法
レーザー加工は、レーザー光を一点に集めて部材に照射して、金属の切断など様々な加工を行います。
特徴は、金属への熱による影響を最小限にできることと、金属に直接触らず加工ができる点です。
チタンは重量は軽いものの、硬度が高くヤング率が小さいため変形しやすい特徴があります。その上、熱伝導率が低いので工具も痛みやすいので、レーザーによる加工はチタンには良い方法と言えるでしょう。
ここでは、レーザーでできる以下3つの加工方法について、チタンの特性とともに解説します。
切断
チタンは硬度が高く熱伝導率が低いため、カットする際に使う工具への負担が大きいです。
レーザーであれば、光を集中させて溶かして切るので工具は使いません。また、たわみによるビビリも起きないので、質の高い切断面を作ることができます。
溶接
レーザーによる溶接は、電子ビームに匹敵する高いエネルギーでの溶接ができます。そのため、融点が高いチタンでも溶接ができ、深い溶け込みで接合が可能です。
彫刻
レーザーを使用した刻印(マーキング)は、チタンの表面に文字やロゴなどを刻むことができます。
照射するレーザーの設定を変えることで、深掘りにしたり、表面酸化により様々な着色を施すことも可能です。
チタンへのレーザー加工の注意点
▲レーザー加工の様子
レーザーを使用してチタンの加工をする場合、いくつか特有の注意点があります。お互いの特徴が関係していますが、具体的には次の2つです。
- 反射率への対応
- 酸化の防止
反射への対応
レーザーは光を使用するので、照射した際に反射する可能性が高いです。反射すると十分な加工ができず、その上機械が壊れる可能性もあります。
そのため、波長が短くエネルギーの吸収率が高いファイバーレーザーを使用することが有効な方法です。
レーザー加工では、導入コストが低いCO2レーザーがよく使用されていますが、反射率が高い金属には不向きなので注意が必要です。
酸化の防止
レーザーで溶接すると、接合部は空気中の酸素の影響を受けやすいです。特にチタンは、高温になると酸素と反応しやすく、酸化すると硬度が上がり脆くなってしまいます。
そのため、空気に触れないように、レーザー溶接の際はアルゴンなどの不活性ガスで周囲を保護することがおすすめです。これにより、溶接部が酸化するのを予防できます。
以上です。株式会社新進では、チタンのレーザー加工をはじめ、様々な金属加工のコーディネートをしています。
お困りの際は以下ページよりお気軽にお問い合わせください。
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