06-6581-3041

営業時間(9:00-18:00 )

お問合せ

COLUMN

読み物

レーザー加工とは|原理や主な特徴、メリット・デメリットを総まとめ

レーザー加工

2023.2.28

レーザー加工とは、高エネルギーのレーザー光線を部材に照射して、溶接や切断、穴あけなどを行う方法です。

レーザー光を一点に集めることにより、部材の温度を上昇させる仕組みとなっています。

 

レーザー加工は部材に直接触れないので、部材を傷付けることがありません。また、高精度な加工を行える点や、部材の表面が加工熱によって影響を受けにくい点もメリットです。

 

一方で、加工機は非常に高価ですし、銅やアルミなど反射率が高い金属には不向きです。ただし、加工機は様々な種類があり、銅やアルミなどの金属にも対応しているものも増えつつあります。

本記事では、レーザー加工とは何か、メリットやデメリット、加工内容などを解説します。

 

 

レーザー加工の特徴

 

▲レーザー加工を施した製品事例

 

レーザー加工とは、高エネルギーのレーザー光線を部材に照射し、融解や蒸発させることにより切断や穴あけを行う方法です。

金属だけではなく、幅広い素材や材料に使用することが可能で、木材やプラスチック、柔らかくて加工が難しいゴムにも応用できます。

 

最大の特徴は、加工品に人の手が触れない点です。これにより、加工物が腐食せずに済むため、高品質な製品を製作することができます。

 

 

レーザー加工の原理

 

レーザー光は、他の光とは異なる性質を持っています。太陽光と比べると以下の通りです。

 

レーザー光 通常の光(例:太陽光)
波長 波長の山と谷が揃っている 色によって波長が異なる
人工的に1色だけを取り出して増幅 様々な色がある
収束性 一点に集めやすい 様々な方向に向かう

 

上記のように、レーザー光は一点に集めやすい点が特徴です。

レーザー光をレンズにあてて光を集めると、さらにエネルギーの密度が増し部材の表面温度が上昇し部材を溶かす、蒸発させることができます。これにより、様々な加工を施すことができるのです。

 

 

レーザー加工のメリット・デメリット

 

レーザー加工には様々なメリットがありますが、高価な設備が必要などデメリットもあり、すべてのケースでおすすめできる方法ではありません。

メリットとデメリットをそれぞれ解説します。

 

メリット

 

レーザー加工には、以下のようなメリットがあります。それぞれ順に解説しましょう。

 

  • 高精度な加工を行える
  • 金型の設計・製造が不要
  • 加工面が滑らかであり品質が一定になる
  • 加工熱による影響を減らせる

 

 

高精度な加工を行える

レーザー加工は部材の表面に触れずに行えるため、傷付けずに加工を行えます。また、細かい加工も行えるため、以下のような精密さが求められる部品に向いている加工方法です。

 

レーザー加工が活躍する分野
  • 自動車
  • 航空宇宙
  • 医療機器
  • 電子機器
  • 建築

 

 

金型の設計・製造が不要

金属加工は金型を製作して、それに沿って加工することで同じ形を大量に作るのが一般的です。

ですがレーザー加工は、CADデータを駆使して精密に加工が行えます。そのため、金型を製作する手間がありません。

 

また、金型が不要なだけではなく、工具のメンテナンスも基本的には必要ないです。加工した後に出る粉塵などもないので、掃除などの手間もありません。

 

 

加工面が滑らかであり品質が一定になる

レーザー光で工作物を溶かすので、加工面は滑らかで綺麗な仕上がりになります。

そのため、バリ取りが必要ない、もしくは少ない時間ですむので加工後の仕上げ作業の工数を削減できます。

 

 

加工熱による影響を減らせる

レーザー光を一点に集めて加工するので、加工部周辺の熱変形の心配が少ないです。特に、薄い板や熱伝導率の高い金属は熱の影響を受けやすいので、レーザー加工は適した方法と言えます。

 

 

デメリット

 

レーザー加工のデメリットは以下の3つが挙げられます。

 

  • 高価な設備が必要になる
  • 適さない材料もある
  • 大量生産には向いていない

 

 

高価な設備が必要になる

レーザー加工を行うには、高価な設備が必要であり、他の方法よりもコストがかかります。

また、消耗品の交換費用や保守、修理コストもかかるので、初期費用だけでなくランニングコストがかかる点も考慮しなければなりません。

 

 

適さない材料もある

レーザー加工は様々な素材に対応できますが、下記の条件に当てはまる素材には不向きです。

 

不得意な条件
  • 反射率が高い金属
  • 厚すぎる材料

 

光を使うので、反射率が高い金属は熱が伝わらないため難しいです。逆に加工機自体を壊してしまう恐れもあります。

また、光から遠ざかると熱が逃げてしまうので、厚みのある製品はレーザー加工には向いていません。

 

ただし、現在は反射率の高い金属でも使える機器が登場していますので、レーザー加工できる範囲はかなり広くなりました。

 

大量生産には向いていない

レーザー加工は複雑で細かい作業を行えますが、1枚の製品を仕上げるスピードはそこまで速くはありません。そのため、生産コストも高くなる傾向があります。

単純な形状で、かつ大量生産をする場合は、金型を用いたプレス加工や切削加工の検討が必要です。

 

 

レーザーで行える加工の内容

 

レーザーで切断している様子

▲レーザーを使用して加工している様子

 

レーザー機器を使えば様々な加工が行えます。具体的には次の通りです。

 

  • 切断
  • 穴あけ
  • 溶接
  • マーキング
  • 彫刻
  • 表面加工

 

複雑な形状への加工を得意としており、曲面に仕上げたい場合や金型で表現するとコストがかかりすぎる細かい加工、微細な穴あけ加工に適しています。

 

また、マーキングや彫刻などにも使用でき、文字や図形、画像などを部材に印刷するときにも活用可能です。

表面加工も行えるので、アクセサリーや芸術品など、様々な製品への加工に使用されています。

 

 

代表的なレーザー加工機の種類

 

レーザー加工機にはいくつか種類がありますが、特に使用されるのは下記の5つです。

 

加工機 特徴
CO2レーザー
  • 炭酸ガスを使用
  • 様々な部材に利用できる
  • 導入コストが比較的安価
  • 反射率が高い金属には不向き
YAGレーザー
  • 熱による影響を減らしている
  • マーキングや彫刻、溶接に適している
  • 導入コストは高価
ファイバーレーザー
  • 光ファイバーを使用
  • 高出力かつピンポイントな照射が特徴
  • 反射率が高い銅やアルミにも対応できる
  • 導入コストは高価
複合
  • 曲げや穴あけなどの複数の加工を1台で行える
  • 1台で複数の加工ができるので工数が短縮できる
  • 導入コストが高価
  • サイズが大きいので設置スペースが必要
エキシマレーザー
  • ハロゲンなどの混合ガスを使った紫外線レーザー
  • レーザー照射の周囲に熱が発生しないため微細な加工が可能

 

上記のように、加工機ごとに特徴は違います。

そのため、レーザー加工機を使用していても、加工の内容によっては向き不向きがあるため、依頼先はしっかりと検討することが大切です。

 

株式会社新進では、金属加工のコーディネートを行っています。お問い合わせは次のページで行えますので、お気軽にご相談ください。

≫お問い合わせはこちらをクリック

 

TOP