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チタンパイプの曲げ加工が難しい3つの理由|行う場合のポイントを解説

チタン

2022.12.6

チタンパイプは軽く強い特徴を持っていますが、一方で強度が強く曲げ加工を行うのが難しい金属でもあります。

特に、チタンと他の金属を合わせているチタン合金は、強度が高く曲げ加工には向いていません。

 

一方で、純チタンであれば強度がそれほど高くないので、曲げること自体は可能ですが、加工後に部材が元の形に戻ってしまうスプリングバックが大きい点に注意が必要です。

図面通りの形に加工するには、スプリングバックを考慮して作業しなければなりません。

 

また、チタンは加工硬化が発生しやすく、力を加えた部分の曲げ割れにも注意する必要があります。本記事で、チタンパイプの曲げ加工が難しい理由や作業時のポイントを確認していきましょう。

 

 

チタンパイプの曲げ加工が難しい3つの理由

 

チタンは強くサビにくいなど、部品や製品として使用する際に優れた特徴を持つ一方、加工が難しい金属でもあります。

チタンパイプの曲げ加工が難しい理由は、以下の3つです。

 

  1. 強度が高く曲げにくい
  2. 曲げても元に戻りやすい
  3. 曲げ割れが起きやすい

 

 

強度が高く曲げにくい

 

純チタンはそれほど強度が高くなく曲げやすいものの、チタンに他の金属を加えたチタン合金は強度が高く曲げにくいです。

金属の曲げやすさは、引張強度÷密度で計算される比強度で表されます

チタン合金の比強度は、鉄の約2倍、アルミニウム合金の約3倍なので曲げ加工に不向きです。

 

 

曲げても元に戻りやすい

 

純チタンは曲げること自体はできても、曲げた後に形が元に戻ってしまうスプリングバックを起こしやすい素材です。

そのため、純チタンを用いて精度の高い曲げ加工を行うには、スプリングバックを考慮して作業をしなければなりません。

 

 

曲げ割れが起きやすい

 

チタンパイプの曲げ加工を行うと、加工硬化が起き割れやすくなってしまいます。

加工硬化とは?

金属に力を加えて変形させたときに、金属が硬くなる現象のこと

 

加工硬化は部材を硬くする一方で、粘りを下げ脆くしてしまいます。そのため、チタンパイプの曲げ加工を行う際には曲げ割れに注意して行わなければなりません。

曲げ割れを防ぐには、工具を使用する速度を調整して加工硬化を起こしにくくする工夫が必要です。

 

 

チタンパイプの曲げ加工を行う際のポイント

 

チタンパイプの曲げ加工を行うには、部材の特徴をよく理解した上で、適切な加工方法や工具の使用方法を選択しなければなりません。

具体的には、以下の2つを意識して作業を進めましょう。

 

  • 部材となるパイプが純チタンかチタン合金か把握する
  • スプリングバックを意識した作業を行う

 

 

部材のパイプが純チタンかチタン合金か把握する

 

純チタンとチタン合金では金属として持つ特徴が異なります。そのため、質の高い加工を行うには、部材として使用するチタンの性質を把握しておきましょう。

 

チタン合金であればそもそもの強度が高く難しいですが、純チタンであれば曲げ加工自体は可能です。しかし、後述するスプリングバックを意識した作業が必要になります。

 

 

スプリングバックを意識して作業を行う

 

純チタンは曲げ加工を行うとスプリングバックを起こしやすいので、以下を意識した作業を行いましょう。

 

  • スプリングバックを考慮して深い角度まで曲げる
  • スプリングバックが比較的小さいJIS1種チタンを使用する
  • スプリングバックを防止する温度、環境で作業をする

 

スプリングバックを考慮して図面よりも深い角度で曲げる際には、曲げ割れの発生にもご注意ください。

 

チタンパイプの曲げ加工を行う際には、部材となるチタンの知識と高い加工技術が必要です。

もし、自分で加工することが難しい、他社で断られてしまったのであれば、お気軽に株式会社新進へお問い合わせください。

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