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ステンレス棒の曲げ加工|方法と事例について
ステンレス
2022.4.16
住宅用設備や機械部品など、様々な場面でステンレスは使用されています。ステンレスを製品や部品として使用するときには、様々な加工を施して図面通りの形にする必要があります。
ステンレスは硬く錆びにくいなどの特徴を持つ一方で、加工が難しい金属でもあります。特に曲げ加工は、ステンレスの加工の中でも難しく、ステンレスに関する知識や高い加工技術が必要です。
ステンレスの曲げ加工が難しい理由としましては、曲げRがきついと割れが発生しやすく、曲げた後に加工前の形状に戻ってしまうスプリングバックも発生しやすいからです。
本記事ではステンレス棒の曲げ加工が難しい理由や曲げ加工を行う方法を解説していきます。
ステンレス棒を個人で曲げる方法
まずは個人でステンレス棒を曲げる方法を簡単に確認していきましょう。DIYでステンレス棒を曲げるときに使用する主なツールは以下の通りです。
ステンレス棒を曲げるときには、基本的にてこの原理を応用して曲げます。具体的には以下の手順で曲げるのがおすすめです。
- ホームバイスにステンレス棒を固定する
- 曲げたいステンレス棒の直径より大きいパイプやペグを通す
- 曲げたい位置に力を入れ、ステンレス棒を曲げる
上記の方法を行えば個人でもステンレス棒を曲げることはできますが、曲げたい場所をピンポイントで曲げるのには技術が必要です。
また上記の方法は、パイプやペグを通しやすいステンレスの丸棒を曲げるのに向いています。
ステンレス棒は曲げ加工が難しい金属
先ほど、個人でステンレス棒の曲げ加工を行う方法を解説しましたが、実際にはステンレス棒を曲げるのは難しく、高い技術やステンレスに関する知識が必要です。
ステンレス棒の曲げ加工が難しい理由は主に2つです。それぞれ確認していきましょう。
曲げRが小さいと割れやすい
ステンレスの曲げ加工を行った際に、曲げRが小さいとコーナー部分に割れが発生してしまう恐れがあります。ステンレスの中でもフェライト系やマルテンサイト系は、JIS規格で曲げ試験が規格項目となっています。
そのため、曲げRが小さい加工を行う際には、フェライト系やマルテンサイト系のステンレスを部材として選ぶのもおすすめです。
スプリングバックが起きやすい
ステンレスは曲げ加工を行った後に、部材が加工前の状態に戻ってしまうスプリングバックが起きやすい金属です。
そのため、ステンレスの曲げ加工を行う際には、スプリングバックが起きる分も考慮して曲げ角度を設定しなければなりません。
更にステンレスは、金属構造や成分によって、様々な種類に分かれています。
このようにステンレスは曲げ加工が難しい金属です。
そのため金属加工をしたことがない人や、ステンレスに関する知識が薄い人が曲げ加工を行った場合、3mmや4mmの棒でも難しいと感じてしまいます。
ステンレス棒の曲げ加工方法
ステンレス棒を曲げ加工する方法はいくつかありますが、中でもプレス加工が最も一般的です。
プレス加工は、比較的簡単かつ様々な形状や角度に曲げられるのも魅力です。プレス加工の主な曲げ方法は以下の通りです。
- V曲げ
部材を支える台と部材に押し当てるパンチを使用して曲げる方法
- U曲げ
部材を支える台の中に逆押さえを組み込みU字型に曲げる方法
- 折り曲げ(L曲げ)
部材を押さえながらパンチを押し当てL字型に曲げる方法
このように、プレス加工であれば様々な形状にステンレス棒を曲げられます。ステンレス棒の曲げ加工を行うのであれば、専用のプレス機械がある金属加工工場にご相談ください。
職人が行ったステンレス棒の曲げ加工の事例
ステンレス棒の曲げ加工は、個人で行うのは難しく、特に複雑な形状や曲げRが小さい加工は、ノウハウや設備を持つ金属加工工場に依頼するのが良いでしょう。
株式会社新進が行った、ステンレス棒の曲げ加工の事例をいくつか紹介していきます。
▲曲げRが小さい加工も可能
▲複雑な形状の加工も可能
このように、株式会社新進では様々なステンレス加工を行っています。材料の扱いが難しい、この図面通りには加工できない、などの理由で他社で断られた事例でも対応できる場合があります。
ステンレス棒の曲げ加工を検討中の方は、お気軽にお問い合わせくださいませ。
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