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真鍮の曲げ加工|ポイントと注意点について
真鍮
2023.2.9
真鍮は銅に亜鉛を添加した金属であり、銅のように伸びやすく曲げやすい金属です。真鍮は、主に冷間鍛造と熱間鍛造で曲げ加工を行います。
冷間鍛造は部材が熱による影響を受けない一方で、部材が柔らかくないので加工時には高い圧力を加えなければなりません。
熱間鍛造は熱で部材を柔らかくして加工するので、複雑な形状に仕上げやすい一方、部材が熱による影響を受ける恐れがあります。
加工を行う際には、R(曲げ)の大きさや真鍮の種類によって適切な加工方法を選択しましょう。本記事では、真鍮の曲げ加工の方法や作業時に意識すべきことを紹介します。
真鍮の曲げ加工の方法
真鍮は銅に亜鉛を添加した銅合金であり、真鍮も銅と同じように伸びやすく曲げ加工しやすい金属です。
真鍮の曲げ加工の主な方法は、下記の2つです。それぞれ解説します。
- 冷間鍛造
- 熱間鍛造
冷間鍛造
冷間鍛造とは常温から再結晶温度未満の環境で、部材に圧力を加えて曲げる加工方法です。
常温から再結晶温度未満で加工を行うので、熱によって金属が変化しにくく部材の形状を保ちやすいメリットがあります。
特に、亜鉛の含有量が多い真鍮で冷間鍛造を行うと、残留応力が発生した際に時期割れを起こしてしまう恐れがあるので注意しましょう。
熱間鍛造
部材を再結晶温度以上に加熱して加工する方法を熱間鍛造と呼びます。
熱して作業することによって金属が柔らかくなっているので、スプリングなど複雑な形状への加工もしやすいのが特徴です。
一方で、熱による影響を受けて金属の表面にざらつきなどが発生する可能性があります。また、熱膨張や熱収縮による寸法予測が難しい側面もあります。
- 公差が厳しい製品・部品
- 表面を美しく仕上げたい
上記に当てはまる場合には、冷間鍛造の方が良いでしょう。
真鍮の曲げ加工のポイントと注意点について
真鍮の曲げ加工を行う際には、以下の2つを意識して作業しましょう。
- R(曲げ)の大きさによって加工方法を選択する
- 真鍮の種類に適した加工方法を選択する
Rが小さい加工を冷間鍛造で行うと、割れが発生しやすくなるので熱間鍛造が適しています。また、亜鉛の含有量が多い真鍮で冷間鍛造を行うと時期割れが発生しやすいです。
冷間鍛造と熱間鍛造が適した真鍮、加工形状の特徴はそれぞれ下記の通りです。
加工方法 | Rの大きさ | 真鍮の種類 |
冷間鍛造 | Rが大きい | 亜鉛が少ない |
熱間鍛造 | Rが小さい | 亜鉛が多い |
ただし、真鍮は熱伝導率が高いので板材を熱間鍛造で加工するとかなり歪んでしまう恐れがあります。加工時には適切な温度管理や加工箇所のみを熱する工夫が必要になります。
以上です。なお、株式会社新進では真鍮の加工を承っています。以下のページよりお気軽にお問い合わせください。
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