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アルミの切削加工のポイント|難しいとされる2つの理由について
アルミニウム
2022.10.14
アルミは柔らかい金属なので、切削性が高いです。しかしその一方で、溶融点が低いので工具との溶着に注意する必要がありますし、伸びやすい特徴も持つので加工後にはバリ取り作業が必要です。
アルミの持つ特徴を把握せずに加工をしようとすると工具を痛める、寸法にズレが生じてしまうなどの恐れもあります。
アルミの切削加工を成功させるには、切りくずを排出しやすいシャープな刃先を使用しましょう。また、切削速度を大きくすることで切削抵抗を下げられるので表面が滑らかになります。作業時には、切削油も使用して切りくずや切粉を除去することも大切です。
本記事では、アルミの切削加工が難しい理由や加工時のポイントを解説していきます。
アルミの切削加工が難しい2つの理由
アルミは柔らかい切削性が高い金属のひとつです。
しかし、アルミの持つ特徴を把握していないと加工がうまくいかないケースも多いので注意が必要です。アルミの特徴とともに、切削加工が難しい理由を解説していきます。
- 溶融点が低い
- 延性が高い
溶融点が低い
アルミの溶融点は660℃と他の金属と比較して低いです。そのため、加工時には部材が溶け刃先に着いてしまい、構成刃先と呼ばれる固まりが出来てしまう場合もあります。
このアルミの固まりは、すくい面や刃先に付着し固まってしまい切削精度がガクッと落ちます。この刃先で切削することで、加工面がギザギザになっていまいますので注意が必要です。
そのため、アルミを加工する際には、構成刃先の原因になる切りくずや切粉の排出や加工熱を抑える工夫が必要になります。
延性が高い
アルミは他の金属よりも伸びやすい特徴を持っています。そのため、切削加工時にはどうしてもアルミが伸びてしまいバリが発生します。
バリをそのままにしておくと、ケガにつながる恐れもあるので後工程で研磨作業が必要です。
アルミの切削加工3つのポイント
先ほど解説したように、アルミは他の金属と比較して溶融点が低く、加工時に溶けた切粉などが刃につきやすいです。
また、アルミは伸びやすい金属でもあるので切削加工時にはバリが発生しやすい点にも注意が必要です。
これらの特徴を踏まえ、加工時に気を付けたいことを3つ紹介していきます。
- シャープな刃形の工具を使用する
- 切削速度は大きくする
- 切削油(クーラント)を使用する
シャープな刃形の工具を使用する
切削加工に用いる工具の刃先には、ポジティブ形状とネガティブ形状があります。アルミの加工に適しているのは、シャープな形状であるポジティブ加工の刃先です。
ポジティブ形状の刃先は切削抵抗が少なくなり削った表面が滑らかになるのに対し、ネガティブ形状の刃先は溶着が起きやすく、加工時の表面がギザギザになってしまう恐れがあるからです。
また、切粉の溶着を防ぐために切粉や切りクズを排出しやすい形状の工具を選ぶように気を付けましょう。
切削速度は大きくする
加工時には切削速度を大きくして作業をしましょう。高速で作業することによって、部材の溶着が少なくなります。
また、切削抵抗が下がることにより、切削面も滑らかになるメリットがあります。
切削油(クーラント)を使用する
加工時の溶着を防ぐために、切削速度を大きくすると摩擦により熱が発生してしまいます。すると、加工時の熱によりアルミが溶着してしまうので、切削油を使用して冷却しながら作業を行いましょう。
なお、切削油を使用できない場合には、エアブローで切粉を取り除きながら作業を行いましょう。
このように、アルミの切削加工を行う際には、様々な点に気を配る必要があります。
アルミの切削でお困りであれば、株式会社新進にお問合せください。
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