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アルミのタップ加工が難しい理由|ねじ切りをする際の3つのポイント
アルミニウム
2023.2.2
アルミは柔らかく切削性が高い金属ですが、タップ加工は難しく、加工時には金属の持つ特徴を理解して作業しなければなりません。
作業の際にはタップの回転速度を速くする、切削油を使用する、アルミに適したタップを使用するなどの工夫が重要です。また、アルミは溶融点が低く部材が工具と溶着しやすいので、加工時には熱を逃がしながら行いましょう。
本記事では、アルミのタップ加工を行う際のポイントを紹介します。
アルミのタップ加工が難しい理由
アルミは柔らかく切削性が高い金属ではありますが、タップ加工は難しいです。加工時にはアルミの持つ以下の2つの特性を理解した上で、加工条件を設定しなければなりません。
- 溶融点が低い
- 延性が高い
この特性により、工具に切削したアルミが溶着する可能性が高いです。タップの切れ刃部分にアルミが引っ付くと、その後の加工面が荒くなり精度が低くなります。
また、溶けた材料がそのまま仕上げ面に溶着することも。そうなるとねじ切りした部分はガタガタです。
アルミのタップ加工3つのポイント
アルミのタップ加工を行う際に意識しておきたいポイントを3つ紹介します。
- タップの回転速度は速くする
- 切削油(クーラント)を使用する
- アルミに適したタップを使用する
タップの回転速度は速くする
アルミは切削する速度を遅くすることで、溶着のリスクが高くなります。これは、遅くすると抵抗が増し、その結果、温度が上がりアルミが溶けやすくなることが原因です。
切削速度と凝着の関係を調査した結果、速くしたことで仕上げ面の荒さが大幅に改善した、という実験結果もあります。抵抗を低くするためにタップは速く回転させましょう。
切削油(クーラント)を使用する
切削油を使うと、次の3つのメリットがあります。
- 加工中の抵抗が抑えられる
- 加工物・工具の温度を下げられる
- 切りくずを排出できる
抵抗が多いと温度が上がりやすいです。抵抗を少なくすることで温度上昇をできるだけ少なくし、合わせてアルミとタップの温度も切削油で下げることで溶着の可能性を下げられます。
また、加工した際に出る切りくずは溶着の主な原因です。切削油はその切りくずを洗い流すので、凝着量を大幅に減少できます。
アルミに適したタップを使用する
タップには様々な種類があるので、アルミ加工に合ったものを選択しましょう。具体的には、以下の種類がおすすめです。
- ロールタップ
- ねじ切りカッター
ロールタップとは転造タップや盛上げタップとも呼ばれていて、切りくずをほとんど出さずにタップ加工を行えます。ただし、精度の高い下穴加工が必要なので作業時には注意が必要です。
ねじ切りカッターとは、切りくずを細かく排出するタイプの工具でありアルミのタップ加工に向いています。
タップが折れた場合の対処方法
アルミの溶着が起きると、工具が固定されてタップ自体に負荷がかかります。その結果、タップが折れることもありますので、その対処方法を押さえておきましょう。
折れてしまった場合には、部材を傷付けないように折れた工具を取り除く必要があります。取り除く方法は、折れ口の位置やタップの大きさによって変わります。
- 折れ口が外に出ていたら、プライヤでくわえ回しながら抜く
- 折れ口が浅い場合は、ポンチかたがねを溝に入れタップを緩めて抜く
- タップが大きければ、溝に合うタップ抜き工具を製作し抜く
- 折れ口の位置やタップの大きさで抜けない場合には、材料を熱し緩めて抜いていく
タップを抜く際には切りくずや切粉にも注意し、ねじ穴を傷付けないように気をつけましょう。
以上です。株式会社新進では、アルミの加工を随時承っていますので、お気軽に次のページからお問い合わせください。
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