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チタンのねじ切りが難しい理由|タップ加工3つのポイントを解説
チタン
2023.1.25
チタンは優れた特徴を持つ一方で、ねじ切り加工が難しい金属です。加工時には部材となるチタンの種類に合ったタップを使用するのがポイントです。
また、加工時に発生する切りくずを放置すると、火災やタップの摩耗を引き起こす恐れがあります。加工時には切削油を使用して、切りくずを排出し加工時の熱を下げましょう。
摩耗したタップを使用すると、作業中にタップが折れてしまい加工不良を起こします。タップが折れる原因のひとつには下穴加工の不良もあるので、全工程を正確に行うのが重要です。
本記事では、チタンのタップ加工が難しい理由や作業時のポイントを紹介します。
チタンのタップ加工が難しい理由
チタンは軽くて強いなど優れた特徴を持つ一方で、ねじ切り加工が難しい金属でもあります。加工時には金属の持つ特性を理解しておくことが重要です。
ねじ切り加工が難しい理由は、主に以下の通りです。
- 引張強度が高い
- 熱伝導率が低い
- ヤング率が低い
- 化学的に活性
質の高い加工を行うには、上記の特性を理解して加工条件を設定しましょう。
チタンのタップ加工3つのポイント
チタンのタップ加工を行う際のポイントは、以下の3つです。それぞれ順に解説します。
チタンに合った工具を使用する
ねじ切り加工に使用するタップはチタンに合ったものを使用しましょう。チタンには純チタンとチタン合金がありますが、それぞれ適した工具が以下のように異なります。
- 純チタン
ステンレス用タップもしくはAタップ
- チタン合金
難削材用のCPMタップやチタン合金用タップ
タップを立てる際には下穴の大きさに注意しましょう。下穴が大きすぎるとねじ山が小さくなり締め付ける力が弱くなります。
逆に、下穴が小さすぎると噛み合いが強くなり締め付けの力も大きくなってしまいます。
また、タップへの負荷もかなり大きくなりため、工具を痛める原因にもなります。下穴の大きさに指示がない場合には下穴表を参考にして加工しましょう。
切削油を使用する
加工時に発生する熱の影響を少しでも抑えるために、ねじ切り加工時には切削油を使用しましょう。切削油を使用すれば、タップ加工で生じた切りくずも排出しやすくなります。
ねじ切り加工時には潤滑性に優れている不水溶性切削油を使用するのがおすすめです。
切りくずによる火災に注意する
チタンは燃えやすい特性を持っているので、ねじ切り加工時には火災に注意しなければなりません。具体的には、以下に注意して作業を行いましょう。
- 加工現場は小まめに清掃して切りくずやゴミをなくしておく
- 万が一、発火した場合には乾燥砂や金属消火器を使用して消化する
チタンによる火災は、放水による消化では余計に悪化する恐れもあります。チタンは燃えやすい特性を持つため、加工時には火災に十分注意しましょう。
チタンのねじ切りではタップの折れに気をつける
ねじ切り加工では、タップが折れてしまう場合もあります。
タップが摩耗してしまう原因は、主に切りくずの排出不足です。穴の種類に合ったタップを使用する、下穴加工を正確に行うなどの対策が必要になります。
以上です。チタンの加工でお困りなら、株式会社新進にお問い合わせください。
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