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チタンに放電加工が適している理由とワイヤーカットのポイントについて

チタン

2025.6.26

チタンは高強度で幅広い分野に使用されていますが、加工が難しく、工具への影響も大きいという課題があります。

 

そこで注目なのが放電加工です。放電加工なら高強度でも高品質な加工が可能で、チタンに触れないので工具への影響が少なくなります。

 

ただし、加工条件によってはワイヤーが断線するケースもあります。この記事では、チタンの放電加工の概要とワイヤー加工のポイントをまとめました。

 

 

放電加工がチタンに適している理由

 

チタンは硬度が高く、熱が伝わりにくい性質があります。そのため、難削材として扱われており、一般的な切削加工が難しいのですが、放電加工はチタンにとても有効な手段です。

 

放電加工は、電極とワーク(工作物)の間に放電現象を起こし、発生した熱で金属を溶かしたり除去などをしています。

この加工方法がチタンに有効な理由は次の通りです。

 

  • 非接触のため工具の摩耗が起きない
  • 高硬度・高強度の金属でも高精度な加工が可能
  • 複雑な形状でも再現性に優れている

 

炭化チタン層による表面改質

 

放電加工において、チタンの表面に炭化チタン(TiC)層が生成されるケースがあります。これは、放電加工中に加工液である油が分解され炭素が発生し、チタンの表面に侵入して形成されています。

 

以前は炭化チタン層を欠陥として捉えていました。しかし、加工条件によっては、チタンの耐摩耗性を向上できるため、表面改質の手段として考えられています。

 

 

チタンのワイヤー加工について

 

ワイヤー加工は放電加工のひとつで、高精度な輪郭や微細なカットが可能です。ただし、チタンの性質を踏まえると、注意すべき点がいくつかあります。

 

具体的には次の通りです

 

  • ワイヤーが断線しやすい
  • 断面が不安定で変色しやすい

 

チタンは熱伝導率が低い金属です。そのため、熱がこもりやすく、ワイヤーやチタンそのものに大きく影響します。

加えて、チタンは硬度も高く、酸素とも反応しやすいです。これらにより、ワイヤーの断線や切断面の不安定さが発生します。

 

ワイヤー加工のポイント

 

対処のポイントは、モリブデンワイヤなどの高い放電効率のあるものを使用し、加工液の量や液圧を大きくすることで断線が予防できます。

 

また、パルス幅(休止幅)を長くとり、熱がこもらないようにすると加工の仕上がりが高まります。

それ以外にも、ワイヤー加工で発生するスラッジ(金属粉等の沈殿物)が溜まると精度が下がるので、清掃や加工液フィルターの管理も行いましょう。

 

以上です。株式会社新進では、チタンを始めとする様々な金属加工のコーディネートをしています。

お困りの際はお気軽に以下ページよりお問い合わせください。

 

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