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真鍮の切断方法|使用する工具と注意点、職人の加工事例について
真鍮
2022.8.30
真鍮は銅合金のため柔らかく、アクセサリーなど身近なものに使用されているので、ご自分で切断し、加工してみたいと考える方も多いでしょう。
本記事では、真鍮の切断を行う場合の方法と、用いる工具・注意すべき点を解説していきます。
また、より高い精度・技術を必要とする部品などの真鍮の工業用製品について、当社株式会社新進の職人技が光る真鍮の加工事例もあわせて紹介します。
真鍮の切断方法と使用する工具
真鍮は銅合金のため、切断が比較的容易な金属材といわれています。単純なカットなら、ホームセンターなどで手に入る工具を用いての加工が可能です。
例えばイヤリングを作りたいなら、プレート状の真鍮を金切り鋸(ノコ)で好みの形にカットし、ペンチで曲げたり、やすりをかけたりして金具を付ければ完成します。
曲線など複雑な形状でも、使う工具によってバリエーションは広がっていきます。下記に真鍮の切断に適した工具をまとめました。
種類 | 特徴 | 価格 |
金切り鋸 |
手動の鋸
直線型:刃の延長状に柄が付き自由度が高い。 洋ノコ型:柄がタテ。力を入れやすい。 |
300円台~
4000円程度 |
ハンドソー | 金切り鋸の応用版。力を入れた切断は不向き。
細部の切断に適している |
500円台~
6000円程度 |
グラインダー |
電動で小型でも強力な研削能力がある
卓上:作業台に固定して使用 ディスク:手持ちで自由・汎用性が高い。バリ取りにも使用。 |
3000円台~
3万円程度 |
ジグソー | 電動で刃/ブレードが上下に動く。
波型の切断など曲線の切断が効率的にできる |
4000円台~
2万円程度 |
手軽な金切り鋸なら数百円から入手できるため、工具にかける費用を抑えたい場合におすすめです。
電動は値は多少張るものの作業効率がよく、切削能力にも優れています。ディスクグラインダーはカットのみならず、刃を交換すれば研磨もできるため、特に優れた工具といえるでしょう。
また、真鍮板を曲げながら切断するのに適したジグソーなど、工具といっても機能はさまざまです。
ただしそれぞれ扱い方が違い、向き・不向きもあるため、切断するものの用途や予算によって使い分けるのがよいでしょう。
真鍮の切断における注意点
真鍮は柔らかく切断しやすいメリットがある一方、その伸びやすさゆえに、切断すると「バリ」と呼ばれる意図しない突起が発生しやすいのがデメリットです。このバリを放置すると、以下3つの様なトラブルを引き起こしてしまいます。
- 安全性の低下:鋭利なバリによるケガ
- 故障・摩耗:剥がれたバリによる機械動作部の不具合・製品の傷など
- 精度の低下:製品の寸法が狂う・仕様性能への悪影響
これらを防ぐため、真鍮に限らず切断する際に発生したバリをとる作業は、非常に重要であり欠かせません。
ディスクグラインダーは切削能力に優れている他、さまざまな刃(ディスク)が取り付けられるため、磨き用バフに交換すればバリをきれいに取り除けます。
切断にディスクグラインダーを使用する際の注意
真鍮の切削に好適といわれるディスクグラインダーですが、残念ながらメリットばかりではありません。
1分間に約10,000回転という非常に強い回転力で作業効率は高いものの、その反面、注意を怠ると事故に繋がりやすくなります。
実際、金属加工工場内でディスクグラインダーでのバリ取り作業中、回転中の研削といしが身体に当たり、作業者が死亡する事故が起きています。
個人でディスクグラインダーを使う場合も、特に下記に注意し、作業するようにしましょう。
真鍮の切断を職人が行う場合の加工方法と事例
日頃より、金属加工をおこなっている大阪・九条の町工場では、以下の方法を使って真鍮の切断をしています。
- ガス切断
- レーザー切断
- シャーリング
- ワイヤーカット
真鍮は柔らかいため切断がしやすい反面、バリが発生しやすい問題があります。また、加工中の製品に傷が入りやすく、取り扱いにも気をつけなくてはいけないため、ある意味で加工が難しい金属です。
その点を考慮した上で、どの切断方法がいいのか、また使用する刃や切断条件はどうすべきかを経験則に基づき加工をおこなっています。
最後に、株式会社新進が行った真鍮の切断加工の事例をご紹介します。
▲切断、切削、穴あけ加工の事例
▲切断、切削、穴あけ加工の事例
高度な技術が求められる真鍮の加工ですが、複雑な形状の依頼や小ロット」など、株式会社新進では色々とご相談に応じております。
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