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ハステロイとは?|耐食性や耐熱性、組成・成分など特徴をひとまとめ

ハステロイ

2022.3.8

今回ご紹介する「ハステロイ」はニッケルを主成分とした合金で、数ある金属材質の中でも加工が難しい難削材として知られています。

また、ハステロイという名称はただ材質の一種でなく、アメリカの企業ヘインズ(HAYNES International)の商標です。したがってハステロイは、合金の「ブランド」のひとつと言えます。

 

当記事では難削材のハステロイについて特徴をわかりやすく解説した上で、ハステロイにまつわる疑問点や活用事例を紹介します。

 

 

ハステロイの主な特徴と耐食性・耐熱性

 

はじめに、ハステロイの特徴を解説します。特徴は以下の3つです。

 

  • 耐食性(腐食しにくい)が高い
  • 耐熱性に優れている
  • 加工に高い技術を要する

 

詳しく見ていきましょう。

 

 

耐食性・耐熱性が高い

 

ハステロイは「耐食性合金」とも呼ばれ、ハステロイ自体が腐食に強いため、腐食防止の塗装やめっき加工を必要としない特徴があります。

 

また耐熱性は1,100度の高温に耐えられるほどに長けており、高温下でも強度を維持することが可能です。

 

本来金属は温度が上がるにつれて強度が低下する材質が多い中、高温に強いハステロイは工業炉やガスタービンエンジン等の部品として重宝されます。

 

これらの特徴から、ハステロイ製品は耐食性や耐熱性が要求される航空宇宙分野や造船部品に活用されています。

 

 

ハステロイ加工は高い技術力が必要

 

耐食性・耐熱性に長けるハステロイですが、高性能な材質ゆえに製品加工は熟練の技術を必要とします。

 

ハステロイは高硬度かつ高靱性(材質が粘り強い)だけでなく、加工段階でさらに硬化するため被削性が非常に悪いです。どれくらい被削性が悪いのか、被削性指数という数値をもとに見てみましょう。

 

材料 被削性指数
ハステロイC 10
アルミニウム合金(A5052など) 180
ステンレス(sus304など) 50
黄銅 40

 

アルミニウム合金が180であるのに対して、ハステロイの被削性指数は10と非常に低い数値です。

 

被削性指数は数値が低ければ低いほど「加工しにくい材質」と判断できるため、ハステロイがいかに難材質であるか判断できます。

 

したがって他の材質よりもハステロイ加工の際は、加工速度の設定や冷却作業に気を配る必要があります。

 

 

さらにハステロイ加工は高硬度の特性から、使用する工具の摩耗も激しく、工具のメンテナンスや交換も欠かせません。

 

加工の適切な速度設定や冷却タイミングを見定める技術はもちろん、使用工具のメンテナンスまでの幅広い職人技を必要とするハステロイ加工は、加工実績がある限られた工場でのみ為せる技と言えます。

 

 

ハステロイの成分・組成表と物理的特性

 

次にハステロイを物理的特性から見ていきましょう。ハステロイの耐食性や耐熱性の高さは、成分や組成データからも確認することができます。

 

ハステロイはさらに細かく製品分類できるため、今回は数あるハステロイの中から代表的な4種類を成分組成表を元に紹介します。

各データの引用元:ヘインズ(HAYNES International)

 

 

ハステロイC276

 

ハステロイC276は最初に開発されたハステロイ材質で、50年超の確固たる実績を持つ「溶接に対する問題を軽減」に特化した、ニッケル-クロム-モリブデン材料です。ハステロイ材質の中では最もポピュラーな材質と言えます。

 

物理的特性 数値(メートル単位)
密度 8.89 g/cm3
電気抵抗 1.23 μohm.m
熱伝導率(500℃) 18.3 W/m.°C
平均熱膨張係数(24℃~100℃) 11.2 μm/m.°C
透磁率 1.0002
比熱 427 J/kg.°C
動弾性率 205 GPa
溶融温度 1323-1371°C
ポアソン比(生じる歪の比率) 0.31

※数値は室温の状態

 

 

ハステロイC22

 

高いクロム含有量が特徴的なハステロイC22は、 C276 合金よりも酸化性媒体に対してはるかに高い耐性を持っています。さらにステンレス鋼は侵されやすい、塩化物誘発孔食に対して効果的な特徴があります。

 

物理的特性 数値(メートル単位)
密度 8.69 g/cm3
電気抵抗 1.14 μohm.m
熱伝導率(600℃) 21.3 W/m.°C
平均熱膨張係数(24℃-100℃) 12.4 μm/m.°C
透磁率
比熱(600℃) 514 J/kg.°C
動弾性率 206 GPa
溶融温度 1357-1399°C
ポアソン比(生じる歪の比率)

※数値は室温の状態

 

 

ハステロイB3

 

ハステロイB3は純粋な還元性酸処理用反応容器の構造に活用される事が多い材質で、塩酸や臭化水素酸、および硫酸に対して高い耐性を持つ特徴があります。

 

物理的特性 数値(メートル単位)
密度 9.22 g/cm3
電気抵抗 1.37 μohm.m
熱伝導率(600℃) 19.6 W/m.°C
平均熱膨張係数(25℃~100℃) 10.6 μm/m.°C
透磁率
比熱 373 J/kg.°C
動弾性率 216 GPa
溶融温度 1370-1418°C
ポアソン比(生じる歪の比率)

※数値は室温の状態

 

 

ハステロイX

 

ハステロイXは耐熱性や耐酸化性の他、加工性・高温強度の優れた組み合わせを備えた材質が特徴です。特に650°C〜870℃で16,000時間熱した後でも延性を実感できるポイントは高温強度の高さを認識できます。

 

物理的特性 数値(メートル単位)
密度 8.22 g / cm 3
電気抵抗 17.87 µohm-cm
熱伝導率 9.2 W / m-°C
平均熱膨張係数(26℃~100℃) 13.9 10- 6 m / m-°C
透磁率 1.002(15,900 A / m)
比熱 486 J / kg-°C
動弾性率 205 GPa
溶融温度 1260〜1355°C
ポアソン比(生じる歪の比率) 0.320

※数値は室温の状態

 

 

ハステロイは磁石にくっつくか?

ハステロイについて検索する方の中で「ハステロイに磁力はあるか」と疑問を持つ方がいますが、結論としてハステロイに磁性はありません。

 

通常、磁力を持つ材質は「透磁率(μ)」がμ<1.02 である必要があります。

しかしハステロイで透磁率を見ていくと、ハステロイc276はμ=1.0002。さらにハステロイXHAもμ=1.002と透磁率はいずれも1.02を下回ります。したがって、ハステロイは磁力がない材質と判断できます。

 

 

ハステロイが活用されている事例

 

最後に本項目では、弊社が実際に製作したハステロイ製品を紹介します。

 

▲主な加工:旋盤(NC)

 

▲主な加工:旋盤、フライス、穴あけ

 

▲図面に忠実に作るので複合的な部品も製作が可能

 

▲複雑な製品でも加工が可能

 

ご紹介した通り、ハステロイは加工が難しい材質ですが、弊社では確かな実績を元にお客様のご要望を丁寧にヒアリングし、製作をサポートいたします。

 

ハステロイの加工についてお悩みの方はぜひ一度、関西ものづくり本拠地「九条工場」の一員である株式会社新進にご相談下さい。

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