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NC旋盤とは?|特徴や作業上の注意点、汎用・CNCとの違いを解説
旋盤加工
2025.9.19
NC旋盤とは、簡単に言うと旋盤を数値情報で操作して行う加工のことです。厚生労働省の定義では、「プログラム入力後に、自動回転で回転する工作物へ工具に送りを与えて切削をする作業」としています。
自動で切削ができるため、人が行うよりも品質のばらつきが少なく、再現性がとても高いです。その一方で、プログラムを覚えるなどの事前準備が必要となり、試作品には向かないという側面もあります。
この記事では、NC旋盤の特徴やメリット・デメリットをまとめました。また、作業をする上での注意点も解説しましたので、概要を知る上でかなり役立つ記事です。
NC旋盤とは
NC旋盤とは、旋盤を手作業ではなく、数値制御によって回転や送り、工具位置などを自動化する切削方法です。
NCはNumerical Control(数値制御)の略称で、プログラムを組むことにより操作しています。そのため、材料の取り付け方や切削の手順、条件などをあらかじめ決めておかなくてはいけません。
このNCでは、以下2つのコードを使用して機械を自動化しています。
- Gコード
- Mコード
Gコードは準備機能と呼ばれ、主に加工に関する指示として使われています。Mコードは補助機能と呼ばれ、主に機械を動かす指示として使用されています。
汎用旋盤やCNC旋盤との違い
旋盤には他にも汎用のものやCNCと呼ばれるタイプも存在します。汎用旋盤は手動で作業をし、CNC旋盤は数値制御をコンピューターにより行うものです。
それぞれの主な違いを以下の表にまとめました。
項目 | NC旋盤 | 汎用旋盤 | CNC旋盤 |
操作方法 | 位置や速度などを
数値で自動制御 |
ハンドルやレバーで
手動操作 |
数値制御をCPUで
自動制御 |
精度 | 高い | ばらつき大 | さらに高い |
生産適正 |
反復品 中量生産 |
少量 試作 単発 |
反復品 大量生産 |
NC旋盤の特徴
プログラムを導入したことで、NC旋盤には手動のものにはない様々なメリットがあります。その一方、デメリットもあるので、特徴をそれぞれ紹介します。
メリット
まずはメリットです。具体的には次の3つがあります。
- 自動化できる
- 高精度で再現できる
- 反復加工に適している
NC旋盤はプログラムを組むことで人が介在せずに切削作業を行えます。そのため、再現性が高く、半自動的に作業ができるのが大きな特徴です。
プログラムが決定すれば、それを保存・流用することもできるので、再注文や派生品への展開もできます。
デメリット
主なデメリットは次の通りです。
- 教育や標準化が必要
- 単品や試作は非効率
- 条件が不適合のリスク
NC旋盤はプログラムがあって初めて成立します。各コードや切削条件などをどう設定するのか、標準化して教えられる環境を整えなくてはいけません。
また、それらの条件や工具の選定が適切でない場合、びびりや加工硬化を引き起こす可能性もあります。そのため、NC旋盤は難しいとの意見もあります。
NC旋盤を使用する上での注意点
NC旋盤は自動で切削作業を行うため、事故の可能性は高まります。過去には、NC旋盤の使用中の事故により死亡した方もいるので、細心の注意が必要です。
以下に、NC旋盤を安全に使うための主な注意点やポイントを掲載します。
旋盤機には、安全に利用できる仕組みや対策が色々とあります。安全カバーやインターロックなどを実施して、リスクを極力減らすことが大切です。
また、運転中は機械に巻き込まれる可能性があります。作業服はほつれがないものを着て、切削を開始したら顔や手を突っ込んではいけません。
以上、NC旋盤について解説しました。株式会社新進では、金属加工のコーディネートを大阪の町職人と連携して行っています。
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