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鏡面仕上げとは?|ミラーポリッシュのメリットや方法を解説
鏡面仕上げ
2023.6.6
鏡面仕上げ(ミラーポリッシュ)とは、金属加工方法のひとつであり、表面を鏡のように滑らかに仕上げる方法です。
鏡面仕上げを行うとデザイン性が向上するだけでなく、加工面の反射率の向上や摩擦係数の低下、耐食性の向上などのメリットがあります。
方法としては切削や電解研磨といくつか種類があり、それぞれ必要な設備やメリットが異なるので、部材の形状や金属、予算に合わせて方法を選ぶことが大切です。
本記事では、鏡面仕上げとはどんな加工か、どのような方法で行うのかを解説します。
鏡面仕上げ(ミラーポリッシュ)とは
鏡面仕上げ(ミラーポリッシュ)とは金属の研磨加工のひとつであり、表面を鏡のように仕上げるのが特徴です。製品の美しさや高級感が上がるので、雑貨や電子機器、各種部品などによく使用されています。
鏡面仕上げのメリット
鏡面仕上げには、下記のメリットがあります。
- 見た目が美しく仕上がる
- 摩擦による抵抗が少なくなる
- 表面に汚れが付着しにくくなる
表面を鏡のように磨き上げるので、美しく仕上がりデザイン性が向上します。また、表面が滑らかになるので、精密機器や耐久性が求められる部品にも適した加工方法です。
さらに、汚れがつきにくくなるので清潔さを維持しやすくなりますし、部品や製品がさびにくくなるのもメリットです。
鏡面仕上げの種類と方法
鏡面仕上げにはいくつか方法があり、主な方法は下記の通りです。それぞれ解説します。
- 切削加工
- 研磨加工
- 電解研磨
- 真空蒸着
切削加工による鏡面仕上げ
切削加工機である旋盤やフライス盤などを使用して、部品の表面を削り滑らかに仕上げます。この方法で鏡面仕上げを行うメリットは下記の通りです。
- 大量生産に適している
- 切削加工だけなのでコストと時間を節約できる
一方で、高品質な仕上げを行うには細かい制御を行える機械が必要になり、導入するコストは高額というデメリットはあります。
研磨加工による鏡面仕上げ
金属の表面を研磨剤で磨き、鏡面仕上げを行います。具体的にはバフと呼ばれる柔らかい素材でできた円盤工具に、ワックスや研磨剤を取り付けて金属を磨きます。
メリットは、下記の通りです。
- 様々な粒度に仕上げられる
- バリ取りも合わせて行える
一方で、研磨は作業者の技能が品質に大きく影響します。どのタイミングでどんなバフを使い、どの程度の力で研磨するか。これらは経験が大変重要です。
ちなみに、研削加工という言葉もありますが、研削は広義な意味で研磨と同じと言えます。研磨は①粗研磨→②中仕上げ→③仕上げと進みますが、②までの行程を主に研削と呼ぶことが多いです。
電解研磨による鏡面仕上げ
電解により金属の表面を溶かし、研磨と似た効果が得られる方法です。電解液に金属を浸して電流を流し、金属イオンの移動を発生させ表面を滑らかにします。
電解研磨のメリットは下記の通りです。
- 複雑な形状でも研磨ができる
- 汚れがつきにくくなる
- 耐食性が増す
表面を削ると、どうしても表面に多少の傷やバリが残りますが、電解研磨は溶かすのでその心配がありません。とても滑らかで、綺麗な仕上がりになります。
しかし、対極をうまく設置しなければ、均一な仕上がりにならないことも多いです。また、電気を使うため通電性がなければできません。制約が多いのもこの方法の特徴なのです。
真空蒸着による鏡面仕上げ
真空状態の装置に金属を設置し、蒸気化した金属で表面にコーティングする方法です。
真空状態下で金属などの材料を蒸発させ、蒸気を別の物体に付着させてコーティングする方法です。メリットは次の3つがあります。
- 滑らかで光沢が強い
- 耐食性・耐熱性が増す
削るのではなく表面を覆うので、とても滑らかな仕上がりになります。耐食性なども向上するので、車やスマホなど、多くの製品に使用されているのが蒸着です。
一方で、真空ポンプなどの特殊な装置が必要なため、導入コストがとても高くなります。また、装置の中に入れて行うため、あまり大きいサイズの製品は蒸着できません。
鏡面仕上げの製品事例
株式会社新進が請け負った鏡面仕上げの製品事例を紹介します。
▲複雑な形状や曲面も鏡面仕上げ可能
鏡面仕上げの方法はいくつかあり、仕上げる形状や使用する材料によって適した方法が変わります。どの方法で加工すべきかわからない場合は、株式会社新進にお問い合わせください。