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板金加工とは?|種類や使用する機械、安全対策まで完全網羅

板金加工

2022.8.22

板金加工では、板状の金属を部材とし、曲げ加工や切断加工、穴あけ加工等を行います。ゴミ箱やロッカーなど、中が空洞の箱状の製品製造に適しているのがメリットです。

 

板金加工とよく似た加工方法にプレス加工がありますが、プレス加工は専用金型が必要なのに対し、板金加工では専用金型を使わなくてすみます。

そのため、専用金型を作るとコストがかかりすぎてしまう多品種少量生産の製品や、部品に適した加工方法といえるでしょう。

 

板金加工で用いる機械には、ベンディングマシンやパンチングプレス、レーザ切断機等があります。これらの機械を仕上げる形状や工程ごとに使い分け、作業を行っていきます。

 

本記事では、板金加工の種類や使用する機械、工程等をわかりやすく解説していきます。合わせて、メリットやデメリットについても紹介します。

株式会社新進では、板金加工を始めとした様々な金属加工に関する相談をお受けしています。金属加工をお考えの方は、お気軽にお問い合わせください。

 

 

板金加工とは?

 

板金加工とは名前の通り、板状の金属に圧力を加え折り曲げ、図面通りの形状に仕上げる加工方法です。

金属を加工する方法にはいくつかありますが、板金加工は金型を使う必要がなく様々な形に加工できる等のメリットがあります。

 

そのため、板金加工は様々な金属製品や部品の製作に用いられています。

 

 

板金加工を用いた製品例

 

板金加工は様々な大きさや形の金属を加工可能です。そのため、日常生活で目にする製品や材料の製造にも使用されています。

板金加工を用いた製品例は、以下の通りです。

 

  • PCのフレーム
  • 机や収納ラック等のスチール家具
  • キッチンの流し台
  • 改札機
  • 案内掲示板や看板
  • エレベーター
  • 信号機
  • ATM
  • 冷凍ショーケース
  • レントゲン装置

 

日常生活で普段目にする多くの金属製品が板金加工を用いて作られていますし、上記の他にも機械部品等の製造にも使用されています。

板状の材料を加工するので、ゴミ箱やロッカー等のように箱状の製品を加工する際に適しています。次の記事で、板金加工製品の事例を紹介していますのでご覧ください。

≫板金加工の製品事例|大阪・新進の部品製作のご依頼方法と流れ

 

 

板金加工とプレス加工の違い

 

板金加工と似た金属加工方法にプレス加工があります。それぞれの違いは、以下の通りです。

 

板金加工 プレス加工
特徴 板状の金属に圧力を加えて加工する

加工後に溶接やネジ、リベットによる結合が必要

小ロット生産や多品種生産に向いている

裁断された金属をプレスマシンにて加工する

穴あけや曲げ、切断まで一度に行える

大量生産に向いている

使用する機械 ベンディングマシン プレスマシン
金型 不要 必要

 

板金加工もプレス加工も部材となる金属を曲げて、図面通りの形状に仕上げる点は共通しています。一方で、プレス加工では製品ごとに合った金型が必要なので金型製造コストがかかります。

プレス加工は金型が必要なためコストがかかりますが、大量生産をする際には効率的です。一方で、金型を必要としない板金加工は作業者の経験によって仕上がりの品質に差が出る場合があります。

 

 

板金加工の種類

 

板金加工には大きく分けて「手板金」と「機械板金」に分類可能です。手板金は職人がハンマーや板金ハサミ等の工具を用いて一つずつ仕上げていきます。それに対して、機械板金では汎用金型を用いて製造します。

それぞれの違いは、以下の通りです。

 

手板金 機械板金
加工方法 職人が一つずつ工具を用いて仕上げる 汎用金型を使って機械で加工する
加工形状 流曲線等といった複雑な形状も可能 切断加工や曲げ加工、抜き加工等といった様々な形状への加工に対応
使用されるケース 専用金型を作成するのは割に合わない小ロット生産 汎用金型を用いて製造できる少量から中量生産

 

板金加工自体が他の金属加工方法と比較して、手作業が多く多品種少量生産に適した方法です。

その中でも手板金は作業者が一つずつ仕上げるので、細かな作業が必要な製品や複雑な形状の部品を作るのに向いています。

 

 

板金加工で使用する機械

 

板金加工では仕上げる形状によって様々な機械を使い分けます。主な機械とそれぞれの特徴は、下記の通りです。

 

機械名 特徴・加工形状
パンチングプレス 金型を用いて穴あけや切り出しを行う

タレットパンチプレス等がある

ベンディングマシン
(プレスブレーキ)

上型と下型の間に部材を挟み、圧力を加えて曲げ加工を行う
レーザ切断機 レーザ光を用い切断加工を行う

複雑な形状への加工も可能

テーブルスポット溶接機 通電させ部材を溶かすことによって溶接する
アーク溶接機 アークを発生させたときの熱を利用して溶接する
ディスクグラインダー 溶接後の焦げ処理や盛り上がりを削る際に使用する

 

このように、板金加工といっても仕上げる形状によって様々な機械を使用します。

また、機械だけでなく手作業の工程も多いので、作業者の経験によって完成品の品質が変わってくるのも特徴です。

 

 

板金加工のメリット・デメリット

 

板金加工は日常生活で目にする様々な製品や機械部品の製造に活用されています。

しかし、デメリットもあるので部材とする金属や仕上げる形状によって最適な加工方法を選択するのが大切です。

 

メリット デメリット
  • 汎用金型を使用して作業できる
  • 製品のサイズに関係なく加工できる
  • 抜き・曲げ・溶接等様々な形状に加工できる
  • 中空の製品を作りやすいので筐体の製造に適している
  • 切削加工や鋳造・鍛造加工と比較して加工時間が短くてすむ
  • 薄い板状の金属を加工するので軽い製品を作れる
  • 作業者の経験や技能で仕上がりの品質に差が出る
  • 手動工程が多い
  • 同一製品を大量生産する場合にはコストや時間がかかる
  • 高精度は出しにくいので精密部品には不向き

 

このように、板金加工は専用金型を作成すると原価割れしてしまいそうな、多品種少量生産の製品に適した加工方法といえるでしょう。

 

 

板金加工の主な工程

 

板金加工の工程は、以下の通りです。

 

板金加工の工程
  1. 展開プログラムの作成
  2. 抜き切断
  3. バリ取り
  4. 曲げ加工
  5. 溶接加工
  6. 仕上げ加工
  7. 組立

 

 

板状の部材を使用するので、完成図の3DCADや図面だけでなく展開図も必要です。

展開図を作成する際には、定尺材を効率よく使用できるように、材料の歩留まりも意識してレイアウトも合わせて作成していきます。

 

展開図とレイアウト作業が完了したら、製品の外周や穴等を切り出す「抜き切断」工程を行います。レーザ切断機やパンチングプレスを使用するのが一般的です。

また、抜き切断時にはバリがどうしても発生するので、バリ取り作業が必要です。

 

続いて図面の形状に加工するために、ベンディングマシン等で曲げ加工を行います。製品や部品によっては、金属同士をくっつける溶接加工を行う場合もあります。

溶接加工を行った際には、溶接部分が盛り上がってしまうので、ディスクグラインダー等を用いた仕上げ工程が必要です。

 

最後にネジやリベット等を用いて各部品を組立し、製品を完成させます。

溶接も組立もどちらも部品を結合させる点は共通していますが、組立は強度がそれほど必要でない場合や分解作業が必要な場合に使用されます。

 

 

板金加工の安全対策について

 

板金加工は手作業による工程も多いので、安全対策に気を付けて作業を行わなければなりません。ベンディングマシン等の機械を用いる場合には、機械が動く部分に作業者の身体や服の一部が挟みこまれないように注意しましょう。

具体的には、以下の対策が効果的です。

 

  • 安全囲いや安全柵を用いる
  • 安全型を使用する
  • 専用プレスや自動プレスを用いる

 

安全囲いや安全柵を使用する際には、経年劣化等のリスクも考慮して定期的に検査をしておくのも大切です。他には、レーザ切断機を使用するのであれば、レーザ光線が周囲に漏れないように専用のカーテンやスクリーンを使用しましょう。

もちろん、作業者が保護具や保護メガネ等をきちんと装着して作業をするのも重要です。

 

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