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チタンは錆びる?|腐食しない理由と錆びたように見える原因を解説

チタン

2025.12.5

チタンはアクセサリーやキャンプ用品、工業製品などでもよく使用されており、”最強の金属”というイメージを持つ人も多いでしょう。ですが、チタンの表面が少し変色することもあるため、「本当に錆びないのか?」と疑問に思うことはありませんか?

 

結論から言うと、チタンは常温の空気や淡水・海水といった日常環境下では錆びない、と言い切ってよい金属です。その理由は、不動態被膜というバリアで覆われているからであり、これにより内部のチタンが完全にガードされています。

 

この記事では、チタンは錆びるのか?という疑問に科学的なメカニズムを踏まえて解説しました。また、錆びたように見える理由や、腐食がおきる特殊な事例も併せて紹介します。

 

 

チタンは錆びるのか

 

まず結論として、チタンは雨風にさらされる屋外や海水、汗が付着する肌など、いずれの環境でも錆びることはほぼありません。

一般的に錆びにくいとされるステンレスは、海水や塩素の付着で錆びることはありますが、チタンは金やプラチナ(白金)に匹敵するほど、圧倒的な耐食性を備えています。

 

しかし、厳密にいえば酸化(錆び)が発生していないわけではありません。むしろ、酸素と結びつく力が強力なので、表面だけが一瞬で錆びてしまい、それ以上に内部の錆びが進まない、というのが正確です。

 

チタンが錆びない秘密

 

チタンが錆びないとされる理由は、表面に形成される”不動態被膜”と呼ばれるバリア機能があるためです。

 

不動態被膜とは?

チタン表面に形成される非常に薄い酸化チタンの膜のこと

 

そもそも、チタンは酸素と結びつきやすい金属です。チタンが酸素に触れた瞬間、ナノレベルの膜が形成されて内部のチタンを守っています。

 

ステンレスにも同じような被膜はありますが、チタンはそれ以上に自己修復能力が優れています。そのため、表面に傷が入っても、すぐに被膜が再生されて耐食性を維持できるのです。

 

チタンが錆びる特殊な環境

 

高い耐食性を誇るチタンでも、腐食(溶解)が起きるケースはあります。具体的には次の通りです。

 

  • 高濃度のフッ素
  • 非酸化性の強酸

 

不動態皮膜の酸化チタンは、フッ素イオンと反応してフッ化チタンとなり溶け出す可能性があります。また、酸素を含まない酸(塩酸、硫酸など)の下では、被膜を作る酸素が足りずにチタンが溶けることがあります。

 

ただし、どちらも濃度が高いことが条件であるため、一般的な使用状況ではチタンが錆びることはないと言えます。

 

 

チタンが腐食したように見える原因

 

 

チタン製品を使用していると、見た目上では錆びたように見えるケースがあります。具体的には次の通りです。

 

  • もらい錆
  • 干渉色による変色

 

もらい錆

 

チタンそのものは錆びていなくても、表面に茶色の酸化鉄が付着することで、チタンが錆びたように見える現象です。これは、チタンの表面に錆びた鉄粉がつく、あるいはチタンと異なる金属が接触することで発生します。

 

干渉色による変色

 

チタンは表面の酸化被膜の厚みにより、光の屈折で様々な色に変わります。そのため、表面が摩擦で削れたり、皮脂(油分)が付着することで被膜の見え方が変わり、チタンが錆びたように見えるのです。

 

これらを防ぐには、中性洗剤やクエン酸、クレンザーなどを使用して定期的にお手入れをすると、チタン製品の輝きを保つことができます。

 

以上です。株式会社新進では、チタンの加工をはじめとして様々な金属製品のコーディネートをしていますので、お困りの際はお気軽に以下ページよりお問い合わせください。

 

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