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CNC旋盤とは?|特徴やNC旋盤との違い、メリット・デメリットについて解説
旋盤加工
2025.11.7
CNC旋盤とは、コンピュータを使用した自動の旋盤加工機のことです。円筒形状や中ぐりなどの旋盤加工を、人の手を使わずにプログラムにより工程を実行します。
手動ではないため、再現性が非常に高く、精度も大きく向上するのが最大の特徴です。その一方で、精密機械で導入するための費用が大きく、CNC旋盤を扱える作業員が必要になる、というデメリットもあります。
この記事では、CNC旋盤とは何かをまとめました。加えて、メリットやデメリット、CNC旋盤における事故例も解説しましたので、概要を押さえるための基礎資料としてご覧ください。
CNC旋盤とは
CNCはComputer Numerical Control(コンピュータ数値制御)の略称です。もともと旋盤は、金属や樹脂などの材料を回転させながらバイト(刃物)で削る工作機械で、CNC旋盤ではこれをプログラムに基づいて全自動で行っています。
CNC旋盤では、GコードとMコードのプログラムで機械を動かします。この機能に加え、現在ではATCと呼ばれる自動工具交換装置や、自動で加工物を移動させる搬送ローダー装置など、人手を介さずに多くの工程が可能になっています。
NC旋盤との違い
NC旋盤は、旋盤を数値で制御する機械のことです。CNCと同じくプログラムを使用し自動化できる装置ですが、CNC旋盤はコンピュータを搭載しており、より柔軟で複雑な加工が可能になっています。
NC旋盤については以下の記事で解説していますのでご覧ください。
≫NC旋盤とは?|特徴や作業上の注意点、汎用・CNCとの違いを解説
CNC旋盤の特徴

旋盤にコンピュータプログラムを搭載したことで、手動の汎用旋盤にはない特徴がCNCにはあります。その特徴を、メリットとデメリットに分けてそれぞれ解説します。
メリット
CNC旋盤のメリットは次の通りです。
- 精度と再現性が高い
- 生産効率が向上する
- 多工程を自動化できる
最大の強みは、数値制御によりμmの位置決めが可能で、同じ条件を繰り返し再現できる点です。人による寸法のばらつきを最小限に抑えた上で、常時作業をする必要もないため、夜に無人で運転させることもできます。
加えて、現在のCNC旋盤は様々な工程をワンチャックで行うことが可能です。ワンチャックとは、材料を一度固定したら自動で複数の加工を連続してできる機能で、段取り替えを大幅に削減して工数の削減ができます。
デメリット
CNC旋盤のデメリットは次の通りです。
- 初期導入コストが高い
- プログラミングスキルが必要になる
- 保守・メンテナンスの手間がある
CNC旋盤本体はとても高価で、導入するには多額の初期投資が必要です。加えて、精密機械になるので、高度なシステムを維持するには専門的な知識とメンテナンスが不可欠にもなります。
また、CNC旋盤を稼働させるにはプログラミングが必須です。切削経路や速度、工具の選択などを専用のソフトウェアで入力する必要があり、その知識やスキルを持った技術者の確保も求められます。
CNC旋盤の事故と安全対策
CNC旋盤は高度に自動化されていますが、完全に人の手を介さないわけではありません。段取り替えや清掃などの業務で手動作業が必ず発生しており、それに伴い重大な死傷事故が発生しています。
具体的な事故の原因と事例を一覧表にしました。
| 事故の型 | 原因となる行動 | 被害事例 |
| 巻き込まれ | 回転中/停止なしでの軍手や手袋を使用した研磨・清掃作業 | 指の切断、腕の巻き込みによる骨折や腱の断裂、裂傷。
軍手や袖が回転中の切粉やドリルに絡まり引き込まれる 。 |
| 挟まれ | 機械停止なしでの手動調整や清掃、クランプ動作中の接近 | クランプや爪への指の挟まれによる骨折、挫傷、裂傷。
品物を固定する爪と品物の間に指が挟まる 。 チャック交換時に安全措置が不十分な状態で指を挟む 。 |
| 衝突・飛来・落下 | 不適切な治具の使用や機械の不意な動作、固定具の不安定さ | 旋盤加工段取り替え中に、三爪チャックが指の上に落ち切断 。
加工品が反ぱつしたり、作業中に安全ブロックが飛来し衝突する。 |
このような事故は、人が作業をする以上は起きる可能性があります。そのため、ヒューマンエラーを前提とした設計(フェールセーフ)をすることにより、作業者の安全を確保することが重要です。
以上です。株式会社新進では、大阪の町職人と連携して金属加工のコーディネートをしています。
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※個人のお客様のご相談は現在承っておりませんので、ご了承ください。
